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インフィニット・ストラトス〜黒き守護者〜
睨み合い
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「こんな密集空間でいきなり戦闘を始めるって、頭大丈夫?」
「貴様……」
「喧嘩売るなら少しは周りの状況を考えろよ。まぁ、お前みたいな人間に何を言っても無駄か」

 ああいう人間は本当にムカつく。自分の思い通りにならなければ強行策を取る奴は特に――――殺したくなる。

『そこの生徒! 何をやっている! 学年とクラス、出席番号を言え!』

 担当の教員が騒ぎを聞きつけたのか、スピーカーから声が響いてきた。

「……ふん。今日は引こう」

 興が削がれたらしく、ボーデヴィッヒはさっさと消えた。

「祐人?」
「何だ?」
「その、ありがとな。助けてくれて」
「………別に。ただムカついただけだから」

 そう言っていつの間にか展開していたISを解除する。
 そして気まずい空気が流れて数秒経った頃、

「じゃあ、今日はもうあがろっか。四時過ぎたし、どのみちもうアリーナの閉館時間だしね」
「お、おう。そうだな。あ、銃サンキュ。色々と参考になった」
「それならよかった」

 2人は会話をしているが、俺はすぐにその場から離れる。

「えっと……じゃあ、先に着替えて戻ってて」

 あ、これはやばいな。

「たまには一緒に着替えようぜ」
「い、イヤ」
「つれないことを言うなよ」
「つれないっていうか、どうして一夏は僕と着替えたいの?」
「というかどうしてシャルルは俺と着替えたがらないんだ?」

 そう。なぜかデュノアが一緒に着替えるのを拒むのだ。………おそらく、その理由が女だからだろう。

「一夏。一緒に着替えたくないって言ってんだから早く行こうぜ。それとも―――お前はホモなのか?」
「そ、そんなわけないだろ!? わ、わかった! それじゃシャルル、後でな!」
「う、うん」

 俺は一夏を引き連れて更衣室に向かって制服に着替えていると、

『あのー、織斑君とデュノア君、風宮君はいますかー?』
「はい。織斑と風宮はいます」

 ドア越しで呼んでいる声に俺が返事する。この声は山田先生だな。

『入っても大丈夫ですかー? まだ着替え中だったりしますー?』
「大丈夫です。ちょうど俺たちは着替え終わったんで」
『そうですかー。それじゃあ失礼しますねー』

 ドアが開き、山田先生が入ってきた。
 そして聞いたのは男子浴場は今月下旬解禁されることだった。それをデュノアが目撃した。そこまではいい。―――どうして怒っているのか謎だ。男だったらの話だが。

(やっぱり、女なんだろうな………)

 そんな疑問を抱きながら、俺は部屋に戻った。
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