面倒事は早めに解決させろ!
[3/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
》が写真を撮りながら公園内を北に進んでいると思われますから、僕さえ社長の影に隠れていれば気付かず終わりだと思いますけどね」
「言い切るねぇ」
「僕も馬鹿じゃないですからね」
「賭けるかい?」
「……何を賭けます?」
「う〜ん……後腐れなく金を!」
「良いですよ。でも常識の範囲内の金額でお願いします」
「100Gで如何だい?」
「……妥当……ですね!」
「じゃぁ決まり(笑)」
うん。決まりだ!
僕は姿を見られない様にしていれば良いだけだし、社長の事はあの二人は知らないだろうから目立つ動きをしても問題ないだろう。
「言っておくけど、勝負事なんだから僕だってジッと自然な流れに身を任せてはいないよ?」
「……そ、そうでしょうけども……あの二人は社長の事を知りませんからね。社長から声をかけても……」
そこまで言ったが、社長は食べかけのドーナッツを一気に頬張ると、残った紅茶で押し流して気にする事なく立ち上がった。
そして目の前で演奏を披露して丁度区切りの付いた4人組のMG担当男性に声をかける。
「なぁ少年。申し訳ないんだが、そのMGを弾かせてもらっても良いだろうか? このドーナッツを全部あげるから」
と頼み込む。でも僕のドーナッツでもあるんですが?
「え!? あ……あぁ……べ、別に今少しなら良いけど、オッサンにギター弾けるの?」
「大丈夫だよ。チョ〜得意だから(笑)」
本当の事だから当然なんだけど、知らない人はビックリしてる。本当にドーナッツを全部渡しちゃうんですね。
そして社長はMGを構え奏で始めたのは……『タマシイレボリューション』!?
当然だが社長の弾き語りだ!
かなりの音量で演奏は始まり、一切音量は下げずに名曲が響き渡る。
プリ・ピーが最近発表したばかりの曲だ……
MGを貸してくれてる4人組も、1人だけ知っていた(つまりは彼もプリ・ピーのファン)だけで他の3人や周囲の人々と同じで、名曲に聴き入っている様子が窺える。
だが勿論……例外も居る。
その一人が僕であり……更に言えば、今は気付かれるワケにいかない存在であるザルツ君とメリーさんだ。
……してやられた。
人影や物影に隠れていれば気付かれない距離だが、聞き覚えがある名曲が聞こえてくれば、そちらの方へ意識と視線が向かい、何がある(居る)のかを気付いてしまう程度の距離まで近付いてしまう。
そうなれば人影や物影など無用の長物。
噴水前で『タマシイレボリューション』を弾いてる男性に近付き、横目で少し離れたベンチに座っている僕に気が付くのは時間の問
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ