第94話 上を目指して
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タイミングをミスったらそのまま真っ逆さまに落ちてしまうんだ。
一回エステルがタイミングを見吸って落ちかけたけどワイヤーを使って何とか助けられたよ。
ただラウラが撥ねた時に胸も弾んでいたので思わず見てしまいフィーに目を指で突かれてしまった。いやあれは不可抗力だから許してくれ……
……まあそんな様々なトラップがあったが俺達はそれを乗り越えた。
「も、もう流石に疲れたわ……いつになったら頂上に着くのよ!」
「だが大分上が見えてきたぞ。もう少しの辛抱だ」
大きな螺旋階段でエステルが座って息を切らす、そんな彼女にラウラがあと少しだと励ましの声をかけた。
確かに天井も見えてきたしあと少しの辛抱だろう、俺達は最後の力を振り絞って上を目指していく。
頂上もあと少しに近づいた頃、上の螺旋階段から誰かの話し声が聞こえてきた。
「えっ、こんなところに人がいるの!?」
「いや、この声は……少し様子を見よう」
小声で驚くエステルにジンさんが身を潜めて様子を見ようと言った。俺達は気配を消して耳を澄ませて声を拾う。
「くそっ、ココは一体どこなんだ!下に降りようにも危険な罠だらけで行けないし上には変な像が置いてあるだけで出口がないぞ!」
「ボス、腹減ったっす……」
「うるさい!俺だって腹減ってるんだ!泣き言を言うな!」
「リィン、この声って……」
「ああ、はぐれの連中だ」
話をしている人物たちの声に聞き覚えがあった俺とフィーは目を合わせて頷いた、間違いなくアイツらだ。
「どうする?ここで捕まえちゃう?」
「なにか知ってるかもしれないしそうするか。フィー、閃光手榴弾を投げてくれ」
「リィン、ごめん。さっき魔獣に使ったのが最後のだったの」
「なら直接捕らえるしかないな」
フィーの提案に俺は頷き閃光手榴弾を投げてと指示を出す、だがフィーはバツが悪そうにそう言った。
身を隠せる場所はないので奴らの前に出ればすぐにばれてしまう、その対策として俺達はジンさんを後方にして前に出た。
万が一奴らに下へ逃げられそうになってもジンさんなら防いでくれるからな。体格も大きいので頼りになる。
「お前たち、そこまでだ」
「げえっ!?リィン・クラウゼル!?」
俺達が前に出るとリーダーの男が驚愕の表情を浮かべた。
「ど、どうしてここに!?」
「ここまで上がってきたんだよ。お前たちこそ何でこんな場所にいるんだ?」
「知るかよ!気が付いたらこんなところにいたんだ!」
俺の質問にリーダーの男は怒りながらそう叫んだ。あの怒り具合は演技じゃないな、部下の仲間も不安そうにしてるし本当に予想外の事が
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