第94話 上を目指して
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「うへぇ……」
ジンさんの先の長いという言葉にエステルはげんなりといった表情を浮かべる。
螺旋階段の頂上は先程みたいに円形の足場になっており俺達の眼前には大きな塔が聳え立っていた。
「今度はあれを登っていくのか?見たところ階段などはなさそうだが……」
「いや壁から足場が出ている、あれを登っていくしかなさそうだな」
ラウラは目の前の塔には階段が無いと話すが壁からいくつもの薄い板のような足場が出ていてアレを乗り継いで上に上がっていくらしい。
「ゴガァァァァッ!!」
「な、なんだ!?」
「何か来るぞ!」
突然魔獣の方向が辺りに響き渡り俺は驚きつつも即座に武器を抜いた。そしてジンさんは上から何かが来ると言った瞬間、俺達の背後に何かが落ちてきた。
その物体はまるで巨大な猿のような魔獣だった。落下した際に通路にヒビが入って崩壊していく、すると俺達が上がってきた螺旋階段も同じように崩壊して落ちていった。
そのヒビが俺達のいる足元にも走っていく、このままじゃ直に壊れてしまうぞ!
「皆!魔獣は無視して急いであの塔に向かうんだ!」
魔獣に構っていたら一緒に落ちてしまう、俺は皆に魔獣を無視して先を行こうと言い移送で行動を開始する。
だが魔獣も俺達を無視するわけがなくその巨体に似合わない俊敏な動きで追いかけてきた。
「きゃあっ!?危ないわね!」
「構うな!急げ!」
横なぎに振るわれた大きな腕をしゃがんで回避するエステル、反撃しようとするがラウラの叫びにウッと表情を硬くして止めた。
「ゴガァァァァァッ!!」
「はっ!!」
だが再び大きな猿のような怪物が腕を振り上げてきたがそこにジンさんが一瞬で接近して正拳突きを胸に打ち込んで吹き飛ばした。
魔獣は真っ逆さまに下へと落ちていった。
「さっすがジンさん!頼りになるわね!」
「まだまだ若いもんには負けんよ」
笑顔で彼を褒めるエステルはジンさんは得意げな顔で答える。
「さあ、今の内に一気に駆け上がっていくわよ!」
エステルを先頭に俺達は塔を登り始める、全員が身体能力が高いのでどんどんと上に上がって行けるな。
今回はティータやクローゼさんがいたら危なかったな、二人がこのメンバーにいないのは運が良かった。
「はっ!やっ!」
「ッ!?エステル、危ない!」
「えっ……きゃあっ!?」
エステルが巧みな身のこなしで足場を上って行く、だがフィーが焦った様子でエステルの腕を引っ張って体を動かす。
すると塔の内部から大きな腕が出てきて壁ごと足場を破壊した。その内部からは赤い
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