第94話 上を目指して
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見つけた。エステルを先頭にそこに向かう。
「ん、なんか如何にも罠がありそうな感じ」
「まあ普通には登らせてくれないよな……」
見た目は普通の螺旋階段だがこれまでの経験上絶対に何かが起こると俺とフィーは思った。
だが立ち止まって入られないので罠だと理解して俺達は上を目指す為に階段に足を踏み入れた。
「今の所罠はないね」
「ああ、でもそろそろなにかが起きそうな気がする。油断するな」
半分辺りまで上がったが異常は起きなかった、だが俺は念のためにフィーにそう言った。
「な、なんだ!?」
「地震!?」
すると狙いすましたかのように地震が発生してラウラとエステルが警戒をする。
「上から何か来るぞ!」
「あれは……水!?」
ジンさんは上から何かくると言うと大きな地響きと共に大量の水が流れてきた。
「きゃああっ!?流されちゃう!?」
「それよりも後ろ!なんか棘が出てきた!」
「このままじゃ串刺しだぞ!?」
エステルは悲鳴を上げるがどんどん流されてしまう。するとフィーが下の段から階段の一部がせり上がって鋭い棘の生えた板が現れた事を指摘する。
このままではラウラの言う通り串刺しになってしまうぞ!
「俺に任せろ!」
ジンさんはそう言うと勢い地面を踏みぬいた。すると階段に亀裂が走りそこから水の一部が零れ落ちていく。
「フィー、ワイヤーだ!」
「ヤー!」
水の勢いが弱まった瞬間、俺とフィーはワイヤーを伸ばして階段の端に立っていた柱に巻き付けた。そして間一髪俺の背中すれすれにまで棘が接近したけど串刺しになるのは避けられた。
「ふう、間一髪だったな……」
「待て、まだ何か来るぞ!」
俺は安堵の息を吐くがラウラは再び上から何かが動く音を聞いてそう叫んだ。
「わわっ!?大きな岩が転がってきたわよ!?」
そして今度は複数の大岩が俺達に向かって転がってきたんだ。
「今度はあたしの番よ!『螺旋金剛突き』!!」
「エステル、私も手を貸すぞ!『獅子連爪』!!」
エステルがスタッフに回転を加えて突きを放ち大岩を破壊する、そしてラウラが豪快な一撃を一瞬で2回放ちその後ろから転がってきた大岩を打ち砕いた。
「よし、このまま一気に突き進むぞ!」
俺達はその勢いのまま階段を登り切るのだった。
―――――――――
――――――
―――
「はぁはぁ……腕が痺れたわ」
息を切らすエステル、結局大岩はエステルとラウラが何とかしてくれたからな。本当に凄いよ。
「だがまだまだ先は長そうだな」
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