第二十話 大阪の実家その十四
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「俺はわかったよ」
「どうしようもない人っているのね」
「うん、性根がどうしようもなくて」
そうであってというのだ、人が救われるにはやはり最低限の資質というものが必要ということであろうか。
「何をしても言っても」
「無駄ね」
「そんな人もいて」
それでというのだ。
「こうした人については」
「誰が何をしても駄目ね」
「どんな宗教、哲学でもね」
「救えないのね」
「ヘドロも多少はどうかなっても」
「奇麗に出来るわね」
「多少位なら微生物もいるし」
腐敗していてもというのだ。
「何とかなるけれどあまりにも腐ると」
「どうにもならなくなるのね」
「微生物もいなくなるよ」
そうなるというのだ。
「もうこうなったら燃やすしかないよ」
「再利用も出来ないのね」
「うん、それは人も同じで」
「今お話している人みたいになったら」
「どうしようもなくなって」
それでというのだ。
「救われないよ、それで俺はそうした人達を反面教師にするよ」
「そうなったら駄目だからね」
「周りにも迷惑をかけるし」
そうなってというのだ。
「自分もね」
「不幸になるわね」
「救われないからね」
「そうなるから」
「誰にとってもよくないから」
「そうした人達を反面教師にして」
「努力して自分の能力も人格もね」
そういったものをというのだ。
「高めていくよ」
「そうするのね、私も」
夜空は佐京のその言葉を聞いて言った。
「それなら」
「努力していくんだ」
「ええ、というか何でそこまで酷い人になったのか」
夜空は首を傾げさせて言った。
「お母さんがとんでもない人でその人に甘やかされて」
「そうなったらしいよ」
「どんな酷いお母さんでどんな甘やかされ方か」
「想像出来ないよね」
「佐京君想像出来る?」
「とても」
佐京は首を横に振って答えた。
「俺にも」
「そうよね」
「世の中物凄くレベルの高い人がいるけれど」
「物凄くレベルの低い人もいて」
「それで」
そのうえでというのだ。
「そうした人達の子供は」
「そうした人になるのね」
「子供は親の背中を見て育つし」
そうなってというのだ。
「それに」
「そうした人の子育ては」
「碌なものじゃないから」
そうであるからだというのだ。
「碌でもない人が出来るのかな」
「今お話している人みたいな」
「そしてそうした人になったら」
その時はというのだ。
「誰もが幸せにならないから」
「反面教師にしないとね」
「努力したらよくなるよ」
佐京は思って言った。
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