暁 〜小説投稿サイト〜
金木犀の許嫁
第二十話 大阪の実家その十三

[8]前話 [2]次話
「ましだったらしいよ」
「そうなのね」
「それでね」
 そのうえでというのだ。
「離婚してから」
「どんどん悪くなって」
「もうね」 
 それこそというのだ。
「どうにもならなくなったらしいよ」
「離婚がきっかけだったの」
「きっかけっていうか」
 佐京は夜空に考えつつ話した。
「悪いところがね」
「出てきたの」
「そうじゃないかな」
「離婚がきっかけに」
「それまでは二人だったから」
 奥さんと、というのだ。
「見えなかったけれど」
「それでもなの」
「一人になって」
「目立つ様になったの」
「それまで懐いていた親戚の子達も」
「離婚してから」
「その子達も大人になって」
 そうなってというのだ。
「その人のこともわかって」
「どんな人か」
「わかって」
「それで懐いていたのが」
 子供の頃はというのだ。
「嫌う様になったそうだよ、その親戚の人達も天理教信じていて」
「その人達に天理教の悪口言ったら」
「余計に離れるよね」
「そうよね」
 夜空も確かにと頷いた。
「もうね」
「そうなってね、誰からもね」
「嫌われて」
「相手にされなくなっていたそうだよ」
「そうなのね」
「どうしようもないって」
 その様にというのだ。
「何しろどれだけお世話になった人にも」
「感謝しないで」
「不平不満を持って」
 そうしてというのだ。
「悪いこと言うから」
「それで反省しないで」
「行いもあらためないからね」
「お仕事しないままで」
「もう何もしないままでね」
「他の人にたかって寄生して」
「その状況でね」 
 それでというのだ。
「変わらないから」
「それでふんぞり返っていて」
「そんな人だからね」
「どんな人もなのね」
「匙を投げて」 
 そうしてというのだ。
「見放したらしいよ、というか天理教の人達でもね」
「どうにもならなかったのね」
「宗教は何の為にあるか」
 佐京は夜空に話した。
「救われる為だよね」
「困っている人、苦しんでいる人達がね」
「中にはもう相当な状況の人が来るよ」 
 宗教の世界にはというのだ。
「それでそうした人達を救うのに」
「天理教もよね」
「その人達がどうにもならないで」
「匙を投げる位だから」
「もうね」 
「どれだけ酷いか」
「世の中どんな宗教でもどんな哲学でも救えない人がいるって」
 眉を曇らせてだ、佐京は話した。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ