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金木犀の許嫁
第二十話 大阪の実家その十二

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「大事だね」
「そうね」
 夜空も確かにとなって頷いた。
「しなくてもね」
「させてもらう」
「その気持ちが大事よね」
「さっきお話した人は」
「有名だからね」
 夜空は暗い顔で応えた。
「誰かの為に何かしようとか」
「思わなかった人で」
「もう微塵も」
 それこそというのだ。
「思わない」
「そんな人だったね」
「自分だけだったのね」
 夜空はその人についてこう言った。
「結局は」
「そうだね」
「プライドだけ高くて」
 それでというのだ。
「それでいて何もしない」
「誰かの為には」
「そんな人でね」 
 そうであってというのだ、夜空は佐京にその人について深刻に考える顔になってそのうえで言うのだった。
「今どうしているか」
「わからないみたいだね」
「どうもね」
 これがというのだ。
「何処にもいられなくなって」
「そうなったのよね」
「一度ホームレスになったらしいけれど」
 それでもというのだ。
「またね」
「なっているの?」
「なっていてもね」
 それでもというのだ。
「不思議じゃないよね」
「そうよね」
 夜空も頷いた。
「もう一度っていうのも」
「それでも反省するか」
「しないわよね」
「反省する人なら」
 それならというのだ。
「もうとっくの昔にだよ」
「反省してるわね」
「そうしていて」
 そしてというのだ。
「ましになってるよ、何か奥さんに逃げられて」
「親御さんの悪口言ったりして」
「それからさらにね」
「悪くなったの」
「その人を詳しく知っている人が言うには」
 それならというのだ。
「もっとね」
「酷くなったの」
「そうであってね」
 それでというのだ。
「そこから色々言われてる親戚に人に殴ってやろうかとか」
「言う様になったの」
「親戚の人のお家にもね」
「今日行くって言って上がり込んで」
 そうしてというのだ。
「大飯食べてね」
「お風呂入って一泊する」
「そうしたことをね」
 まさにというのだ。
「する様な」
「そんな風になったのね」
「それまではまだね」 
 奥さんに逃げられるまではというのだ。
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