第八幕その九
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「曲がったことはしない」
「そんな人だね」
「そうなの」
まさにというのです。
「それが包青天さんなのよ」
「いや、一見怖いけれど」
モジャボロの弟さんも部隊を観て言ってきました。
「とても立派で恰好いいね」
「ええ、そうでしょ」
「これは惚れ惚れするね」
「そうよね、四川料理を食べたし」
お昼にです。
「これから火鍋も食べるし」
「四川って感じだね」
「四川っていうと蜀で」
そうなってというのです。
「三国志になるわね」
「そうそう、四川っていうとね」
弟さんも応えました。
「やっぱりね」
「蜀でね」
「三国志になるね」
「それで孔明さんになるけれど」
「今回は孔明さんじゃないね」
「あの人も法律には詳しいけれど」
そうであってもというのです。
「最近音楽に凝っておられて」
「そうなんだね」
「ある歌手の女の人の助言をね」
「しているんだ」
「プロデュースのね」
「そうしてるんだ」
「そちらの舞台もあるけれど」
そうであってもというのです。
「今回はね」
「包青天さんだね」
「そうなのよ」
この人の舞台だというのです。
「宜しくね」
「それではね」
「いや、絢爛ね」
「豪華だよ」
おばさんとおじさんは京劇の舞台自体に感銘していました。
「動きもよくてね」
「明るくてね」
「色彩も豊かで」
「こんなお芝居もあるのね」
「そうなの、オペラやミュージカルともまた違うでしょ」
ドロシーはお二人ににこりと笑って応えました。
「そしていいでしょ」
「ええ、とてもね」
「凄くいいよ」
「この舞台をね」
是非にというのです。
「楽しんでね」
「そうさせてもらっていいのね」
「わし等も」
「お二人に観て欲しくてね」
そう思ってというのです。
「来たのよ」
「いや、ドロシーはいつもね」
おばさんはドロシーの気持ちを受けて思いました。
「私達に優しいけれど」
「だって私に優しくしてくれるからよ」
「だからなの」
「私だってね」
ドロシーもというのです。
「優しくね」
「してくれるのね」
「オズの国は皆優しくしてくれるけれど」
それでもというのです。
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