第10話:外交と罠
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上。
「それだと矛盾があるだろ?ベネットが我々と仲良くしている姿を観て、エイジオブ帝国が良い顔をするか?」
ギョクサイ姉上は甘いです。
「それに、隣国に冷たい態度を示し過ぎれば、他国の信頼は地に堕ちるぞ」
そこなんですよねぇ。今回の罠の痛いところは。
「結局のところ……往くしかないと言う訳か。ベネット男国からの会食の誘いを」
あ。結局行くんだ?
罠だと解っていながら……
「問題は……誰に行かせるかと言う訳ですか?」
「……俺が行こう」
はい!?
サカシラ兄上はこの国の王ですよ!サカシラ兄上を失った時のダメージを考えての事ですよねぇー!
「何故ですサカシラ兄上!?」
「確かに罠の可能性は高いし、ベネットがエイジオブ帝国に寝返る可能性も高い」
そこまで解っているなら何故!?
「だが、下手に隣国を失えば、ただでさえ連敗によって信頼を失墜している我が国は……」
退くに退けない状況って訳ですか……本当にあのアーバンベアめ!かつての豊臣秀吉なら、もうとっくに殺してるぞ!?
「それに、俺は実績が無い。そう言う意味では、今回の会食はある意味願ったり叶ったりだよ」
「ならば!この豊臣秀吉とドウカァーの同行をお許しください!」
「この私が、サカシラ様の護衛をせよと?」
「そうだ。今はまだ、サカシラ兄上を失う訳にはいかん!」
「解った。では、俺とオラウ、それとドウカァーの3人でベネット男国の会食に応じる。それで良いな?」
ここでギョクサイ姉上は漸く折れてくれた。
「妥当だな。解りました。皆さんがベネット男国との交渉を終えるまで、この王都を護り抜いて魅せましょう。アニマと共に」
ん?
アニマと共に?
「アニマ?その者は一体?」
「マッホーウ法国から亡命した王子です。戦力としては心許無いですが、相手の動きを事前に知ると言う意味では心強き者です」
良かったなぁアニマ。
ちゃんとお前の本当の価値に気付いて貰えて。
さて……
やって来ましたベネット男国。
「いやぁー、よくぞお越しくださいましたぁー。誇り高きムソーウ王国の屈強な英傑の皆様方!」
領主自らお出迎えとは……
……ますます怪しいな。
「会食の前に幾つかお伝えしたい事が幾つか有るのですが―――」
「その様な難しい話は明日にしましょう!それより!我が国が誇るコックが腕によりをかけて作り用意した豪勢な料理が待っております!ささ、冷めない内に!」
何?そのあからさまに怪しい急かし方は?
かえって食欲を無くすんですけど……
で、強引に会食の場に連れてこられた私達ですが……
こいつら……豊臣秀吉を上座に据えようとしただろ?
つまり、こいつらはサカシラ兄上の話を聴く気が無いと言う事か……
やはり罠だな!この会食は!
サカ
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