暁 〜小説投稿サイト〜
神々の塔
第六十九話 トリックスターその三

[8]前話 [2]次話
「僕等は引き分けた」
「引き分けというけどな」
 施は苦い顔のまま話した。
「実質的にはな」
「負けやった」
 こう言ったのは羅だった。
「ほんまな」
「そやったな」
「そや、もうな」
「実質的にはな」
「わし等は勝てんかった」
 羅も苦い顔だった、その戦のことを思い出してだ。
「大きな損害出して」
「そのことがな」
「あの戦やとな」
「負けやな」
「引き分けといっても」
 そうであってもというのだ。
「ほんまな」
「負けや」
「ああ、苦い負けやった」
 こう言うのだった。
「あの戦は」
「わし等はあの決戦で勝ってな」
「敵の都サマルカンドを手に入れて」
「そこからさらに攻めるつもりやった」
 その時の戦略のことも話した。
「ロシアそれにインドをな」
「攻めていってな」
「そしてや」 
 そのうえでというのだ。
「枢軸を降すつもりやった」
「そやったな」
「そして枢軸を降せば」
「エカテリーナちゃん達も仲間にして」
「広大な領土を統治して」
 連合だけでなく併合した枢軸の領土もというのだ。
「そしてな」
「力を蓄えてな」
「やがて騎士団もやった」
「そう考えてたのが」
 それがというのだ。
「あの決戦で引き分けて」
「枢軸とはいずれとなった」
「そうなったさかい」
 だからだというのだ。
「ほんまあの戦はな」
「負けや」
「そう言ってええな」
「その通りや」  
 トウェインも言ってきた。
「わい等の負けや」
「軍の損害も大きかったしな」
「枢軸も大きな損害出してな」
「星のモンは全員満身創痍になったがな」
「それはお互いでな」
「暫く動けんが」
「こっちもでな」
「あの戦に勝てば枢軸を取り込めた」
 そう出来たというのだ。
「戦略目的を達成出来たが」
「それが出来んかった」
「しかも暫く軍の立て直しと消耗した国力の回復にあたらなあかん」
「五千万の軍を動かした」
 リーはこのことを国の柱である宰相として話した。
「それも一時でなくな」
「結構長かったしな」
「連合を総動員して動かした」
 こうもだ、リーは施に話した。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ