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神々の塔
第六十九話 トリックスターその一

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                第六十九話  トリックスター
 施は魔族の兵達を倒した、そこでその兵達に言われた。
「腕を上げられていますか」
「以前より」
「そうされていますか」
「レベルは上がってるわ」
 羅は兵達に答えた。
「実際にな」
「そうですね」
「塔に入られた時より」
「そうされていますね」
「やっぱりな、戦が続いてな」
 そうしてとだ、施は兵達に如意棒を片手に答えた。
「神霊さん達とも戦ってるしな」
「だからですね」
「レベルが上がり」
「その分強くなっていますね」
「皆様は」
「ああ、それだけでもな」
 レベルが上がるだけでもとだ、施は言った。
「ここに来てよかったわ」
「そうですか」
「そう言われますか」
「ではですね」
「これからもですね」
「強くなるわ、そもそもな」
 施はここで苦い顔になって自分達の過去のことを話した。
「自分等それで失敗したわ」
「枢軸との決戦の時やね」
 綾乃が眉を曇らせて応えた。
「あの時やね」
「ああ、あの時自分等軍の数と装備にな」
「星の子の数でやったね」
「枢軸を圧倒しててな」
 施も言った。
「それで攻めて勝つつもりやったが」
「うち等はこの世界に来た時からあまり強うなってへんで」
「レベルあまり上がってへんかったわ」
「それが枢軸の子等は」
「物凄いレベル上がってたわ」
「その分強うなってて」
「それでな」
 その状況でというのだ。
「ほんま強くて」
「自分等は勝てんかった」
「引き分けに持ち込まれたわ」
「そやったな」
「それでうち等も反省して」 
 そうしてというのだ。
「皆修行して強うなって」
「それぞれ新たな神具も手に入れてるわ」
「そうしてるね」
「迂闊やったわ」
 施は苦い顔で言った。
「ほんまな」
「あの時は」
「人は無限に成長出来てな」
「うち等も人で」
「成長出来る、レベルもな」
 これもというのだ。
「上がってく」
「無限に」
「そうなるのにな」
 それでもというのだ。
「枢軸は星のモンが強くなってた」
「うち等はあまりそうなってへんかった」
「その差がや」
「あの決戦で出て」
「自分等は勝てんかった」
「そやったね」
「そやからな」
 そうしたことがあったからだというのだ。
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