暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
XV編
第204話:歌を守る戦い
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攻撃を受け流して明後日の方向へと空振りさせた。そしてその際にがら空きになった胴体へ、回し蹴りを放ち距離を取らせる。

「ぐふっ!?」

 思わぬ反撃に吹き飛ぶミラアルクだったが、両腕に回していた翼を再び背中へと持っていき空中で体勢を立て直す。蹴られた衝撃で口から飛び出た反吐を手の甲で乱暴に拭い、忌々し気に透を睨み付けると今度は上空から両足で蹴りをお見舞いした。

「女の腹を狙うとは、不届きな男なんだゼッ!」

 最初はただ上空からの落下エネルギーを乗せただけの蹴りかと思われたその一撃。だが降下の最中、先程クリスに殴り掛かろうとした時同様翼が蠢き両足に移動すると、巨大な肉塊の様な太い足となった足によるドロップキックが放たれる。

 重量と落下エネルギーを乗せたドロップキックを受け止めようとする透だったが、透の左右から割り込んできた切歌と調の一撃が彼女をそれ以上先へは行かせなかった。

「「はぁぁぁぁッ!」」

 巨大な丸鋸の攻撃と大鎌による攻撃がミラアルクの足とぶつかり合う。鋭い斬撃性能を持つ2人の攻撃を真正面から受け止める形となったミラアルクの肥大化した両足は、その一撃に耐えきる事が出来ず逆に足裏を派手に切り裂かれてしまった。

「うあぁぁぁぁぁぁぁっ!?」

 悲鳴を上げながら弾き飛ばされるミラアルク。彼女が両足に纏っていた翼を背中に戻すと、足自体は無事だったが代わりに背中に戻った蝙蝠の様な翼は見るも無残な程にボロボロだった。

「ぐ、ぐぅぅぅ……!?」

 ボロボロの翼から滴る血で自身の体を赤く染めるミラアルクを、ベルゼバブは冷たい目で見下ろした。

「チッ、役立たず……《卑しき錆色》とはよく言ったものだ」
「ッ!! て、めぇ……!?」

 ベルゼバブの放った言葉に殺意の籠った目を向けるミラアルクだったが、痛む翼の所為で立ち上がる事すらままならない。

 そこにメイジとアルカノイズの集団を突破した颯人とガルドが飛び掛かった。

「見つけたぜ、お前かッ!」
「今度こそ決着をつけるッ!」

 剣と槍を持ち迫る2人の魔法使いを前に、ベルゼバブも自身の剣を構えて迎え撃つ。上手い事連携して放たれる2人の攻撃を、しかしベルゼバブも巧みな剣技で対抗してみせた。

「チッ、流石幹部ってか。なかなかやるじゃねえの」
「気を付けろハヤト。コイツの厄介な所は別にある……!」
「ご要望とあればお見せしよう」

 警戒する2人の前で剣を構え直したベルゼバブが刺突を放つ。直後ベルゼバブの剣が彼の眼前に開いたゲートの中へと消えた瞬間、颯人は反射的に自ら体勢を崩して死角から飛んできた刺突をギリギリ掠める形で回避した。

「あっぶね!?」
「ほぉ、よく避けたな」
「生憎と、似たような戦いは経験した事あ
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