暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
XV編
第204話:歌を守る戦い
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で遂にその時が来た事を察した。
――お楽しみは、ここまでか――
出来れば最後まで奏達の歌を楽しみたかったが、どうもそうはいかないらしい。とは言え、だからと言って放置すればそれこそ目も当てられない事になるのは間違いない為、彼は近くに居るガルドと透の肩を軽く叩いてその場から連れ出した。
「あれ? 颯人さんどこ行くんです?」
「おいペテン師ッ! 透を何処へ連れていく気だよッ!」
「どうしたハヤト?」
突然席を立った颯人に対し、響やクリスは勿論連れ出される本人達までもが何事かと目を丸くする。あれ程奏のコンサートを楽しみにしていた颯人が、何の理由もなしに動き出すとは思えない。
仲間達からの問い掛けに対し、颯人はチラリと奏の方を見てから答えた。
「な〜に、ちょっと連れションにな。すぐ戻るよ」
それだけ言うと颯人は有無を言わさずガルドと透を引き連れてその場を離れた。
その姿をステージの上から奏が目で追っている事にも気付かずに…………
「――それで? いきなりここまで連れてきてどうしたんだ?」
「何かあったんですか?」
颯人が2人を連れて行ったのは、観客席から離れた会場内の人気のない一画だった。コンサートに夢中な観客は勿論、スタッフすらも滅多に立ち寄らないだろう場所で颯人は2人を前に現在の状況を告げた。
「単刀直入に言う。このコンサートをジェネシスと結託した錬金術師が襲撃しようとしてる」
「何ッ!?」
「目的は?」
「それは分からねえ。ただ魔法で視た未来では、このタイミングで空からアルカノイズが降ってきて観客に襲い掛かった。そこはサンジェルマンさん達に頼んで阻止してもらったが、このままだとジェネシスが直接攻撃を仕掛けてくる。それを叩く」
既に逆探知で敵が術式を展開した場所も判明している。なのでこちらから敵の集結地点に飛び、逆にこちらから敵を襲撃しようと言うのが颯人の提案であった。敵の詳細な戦力が分からない以上、可能な限り動かせる戦力は動かしておきたいが為に彼は透とガルドにも声を掛けたのであった。
「なるほど、事情は分かった。だがカナデ達はともかく、ヒビキ達を誘わなかったのは……」
「皆にはこの時間を楽しんでもらいたいから……ですね?」
「ん、まぁな。奏達だって、見知った連中に楽しんでもらった方が嬉しいだろ」
それに加えて、奏達にあまり不信感を抱かせない為の処置でもあった。もしここで颯人達だけでなく響達までもが一気に動けば、何かが起こった事を奏達に知らせる事になる。それは良くない。ステージの上の3人には、今の子の観客を笑顔にしていられる時間を最大限に楽しんでもらわなくては。
颯人なりの思い遣りあってのこの行動だったが、透は彼の想いに残念な知らせを届けた。
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