第93話 鈴の音
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side:リィン
俺達は昏睡した人たちの情報を集めて一度ギルドに戻っていた。
「取り合えずデバイン教区長の話によると昏睡している人たちに異常はないみたいよ。ただコレが続けば体力が低下して危険だと話していたわ」
「そう……なら悠長にはしてられないわね」
シェラザードさんの報告を聞いたアイナさんは深刻な表情を浮かべる。
「でもどうして町の人が倒れたのかしら、それも一部の人ばかり……」
「……多分あの鈴の音よ」
エステルはどうして一部の人だけが昏睡したのか疑問に思っていると、シェラザードさんが鈴の音が原因だと話す。
「鈴の音って夕暮れ近くで聞いた奴?」
「フィー達も聞こえたのか?」
「うん、綺麗な音だったから覚えてる」
「私達も聞いたぞ。つまり全員が聞こえる程の大きい音だったという事か」
フィーが鈴の音について反したので俺はあの音が聞こえたのかと話すと彼女は頷いた。そしてラウラもその音を聞いたと答えた。
フィーはエリーズ街道、ラウラはマルガ山道の方を調べていた。全員が聴いていたとなるとかなりの範囲で聞こえたんだな、あの鈴の音は。
「じゃあこれって……」
「間違いなく結社の奴らだろう、町の住民たちが目撃した不審人物はいなかったみたいだし同時に複数人の人間が倒れるなんて普通はあり得ねえからな。俺達を挑発してやがるんだ」
「ああ、今まで幽霊騒ぎだの怪しい男の目撃情報だのなにかしらのコンタクトを取ってきたからな。今回も急に理由もなく町の住民が倒れるという不可思議な事が起こった、結社の仕業とみて間違いないだろう」
クローゼさんが何かを察してアガットさんが結社が挑発してきたと話す。
ジンさんの言う通り今まで結社は俺達に何かのコンタクトを取ってきた。今回もその可能性が高い。
「そんな事の為に町の皆を昏睡させるなんて許せないわ」
「でも鈴の音でどうやって眠らせたんだろう?」
「多分鈴の音を利用して術をかけるタイプの使い手だと思います。先ほど話にあったデバイン教区長さんもおっしゃっていましたが、薬や病気などではなく魂が捕らえられたような状態に感じたと……私もそう感じました」
エステルは故郷の親しい人達を昏睡させられたことに怒りティータはどうやって鈴の音を使って昏睡させたのかと言う。
するとエマが音を媒体にして術をかけるタイプのものだと話した。
「ならエマ君なら昏睡した人たちを起こせるのかい?」
「ごめんなさい、私の技量では眠った人たちを起こすのは難しいです……この術をかけた者は相当な手練れだと思います」
「エマは悪くないわよ、気にしないで」
オリビエさんの問いにエマは申し訳なさそうに
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