第93話 鈴の音
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情報網は優秀なんだね」
「エマちゃんとジークのお蔭で手紙のやり取りが出来るようになったからよ」
「ピューイ」
ギルドと軍の手際の良さにオリビエが驚いていた。どうやらエマの魔法でジークが霧の中を飛べたらしく手紙の受け渡しが早く出来たみたいだね。
ギルドの掲示板の上に止まっていたジークが誇らしげに鳴いた、相変わらず頼もしいね。
「そういう事なら窃盗犯も軍が来てから追うことにした方が良いのかしら?」
「いや執行者がそんな呑気に待ってるとは限らん、余計な事を伝えられて窃盗犯に逃げられる前に先手を打った方が良い」
「そうね、場所が分かったなら放置しておくのは得策ではないわね。また悪さをされないうちに対処してしまいましょう」
エステルは軍の部隊が来てから動いた方が良いかと尋ねるとジンとシェラザードは行動した方が良いと話す。
人数もいるし動けるうちに対処しておいた方が良いのはわたしも同感、さっさと捕まえちゃおう。
そして窃盗犯を捕まえに行くメンバーはエステル、リィン、ラウラ、ジン、わたしの5人になった。
わたしとリィン、ラウラは自分の恰好を真似されて悪さされている、一発はぶん殴ってやらないと気が済まない。
そしてマルガ山道を進み翡翠の塔の前に来た、すると一階の奥から誰かの話し声が聞こえた。
「いやー、大量大量!大儲けだな!」
「はい、流石はボスです!猟兵に変装して霧に紛れて盗むなんて普通は考えませんよ!」
「まあそれが出来たのは赤いスーツを着た子供みたいな奴から変な札を貰ったからなんですよね。これのお蔭でこの濃霧がまるで無いみたいに視界が良好になるから仕事が楽でした」
「まあこれも俺の持つ人徳のお蔭だな!がっはっは!」
黒髪の中年が酒瓶をラッパ飲みしながら豪快に笑っていた。その横でトマトやチーズ、ハムを食べている銀髪の小さい太った男が黒髪の男をボスといって褒めている。
そして横で宝石などを物色していた青髪の背の高い男がなにやら気になることを話していた。
「赤いスーツ……結社の一員かしら?」
「ギルドへの報告で怪しい赤いスーツを着た子供を見たという情報が上がっている。可能性はあるな」
エステルとジンはその赤いスーツの子供に似た情報があったと話す。
「それにしても楽な仕事だぜ。なんで西風の兄弟がいるかは知らないがリベールじゃ猟兵は嫌われてるから絶対にあいつらの仕業だと思われるはずだ」
「西風のせいで俺達は猟兵を続けていけなくなったんだ、いい気味ですよ」
「今頃とっ捕まって泣いてるかもしれませんよ」
「がっはっは!済々するな!」
わたしとリィンは西風の旅団という言葉を聞いてあいつらの正体
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