第93話 鈴の音
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く悲しくなるよ、私もレグラムの皆が昏睡したらとてもショックだからな」
「ああ、そうだな。俺は故郷が無いから長く共にした人たちは西風の皆だ、もし皆が昏睡させられたらきっと想像以上にショックを受けると思う。まあ皆が昏睡させられるイメージが湧かないけど……」
「ふふっ、あの人達なら本当に効かないかもしれないな」
ラウラは故郷のレグラムの人たちを思い出してエステルの内心を察して表情を曇らせた。俺も西風の皆がそうなったらショックを受けると話す。
でも実際皆が昏睡するイメージが湧かなくて苦笑いをしてしまう、団長なら即座に起きて反撃しそうだ。
それを頭の中で思ったのかラウラも笑みを浮かべて肯定した。
「でもレグラムか、最近は行ってなかったな。皆は元気にしてるか?」
「ああ、皆元気だ。門下生の皆もクロエたちもそなたやフィーに会いたがっていたぞ」
「そうなのか?門下生の皆は何度も手合わせしたり訓練をしたから仲良くなれたとは思っているけどクロエたちは未だに俺を警戒してるように思うんだけど……」
「あれでもそなたの事は気に入ってるはずだ、照れているだけだろう」
「そうかな?」
俺は門下生のフリッツさんやラウラの妹分であるクロエ達を思い浮かべていた。最近は会いに行ってなかったし今回の件が終わったら久しぶりに顔を出してみようかな。
「まあどの道一度は顔を見せに行かないといけないぞ。なにせ私とそなたは結婚の約束をしたのだからな」
ラウラにそう言われて俺はハッとした。そうだ、ラウラとの関係をヴィクターさんに報告しに行かないといけないから必ずレグラムには立ち寄らないといけないんだ。
「因みに父上は私を自分から奪おうとするなら相応の覚悟をしておくようにと言っていたぞ。完全な本気ではないにしろ相当な武力を持って対峙してくるだろう」
「だよな……ヴィクターさんも娘馬鹿だからな」
ラウラの言葉に俺は冷や汗を流す。ラウラと結婚するにはあの人を認めさせないといけないし間違いなく戦闘になるだろうな……
「……でも俺は勝つよ。例え相手がヴィクターさんでもラウラを貰うために何度だって挑むつもりだ」
「それでこそ私が惚れた男だ」
俺が決意を込めてそう言うとラウラは笑みを浮かべてはにかんだ、それがとても綺麗で可愛くて俺は思わず見入ってしまう。
するとラウラが手を差し出してきた。
「どうしたんだ?」
「……今は見回り中だ、現を抜かすようなことはできない。でもこのくらいなら良いだろう」
「ああ、そういう事か。うん、喜んで」
俺は差し出された手を優しく握って指を絡ませる恋人つなぎをする、するとラウラは嬉しそうに身を寄せてきた。
「愛
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