■■SAO編 主人公:マルバ■■
四人で紡ぐ物語◆ヒースクリフの謎
第三十三話 師匠vs弟子
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手を緩めなかった。
短剣と短剣をぶつけてパリィし、ピックで牽制しながら攻撃を避ける。
マルバのHPはじりじりと削られてもうすぐ5割を切るというところまで来た。
しかし……マルバは決して諦めていない。
マルバの視線が、一瞬シリカのポーチを捉えた。
『流星乱舞』が短めのスキルである所以は、ピックの残弾数がすぐに尽きてしまう点にある。
マルバの短剣が『アーク』によって閃光のように飛んできたピックを吹き飛ばし、カウンター気味にシリカの肩に直撃させた。
ピックが足りなくなり焦ったシリカは思わず少し怯み……
怯んだがゆえに、次に発動するスキルの選択を間違えた。
シリカの顔に、しまった、という後悔の色が浮かぶ。
シリカの『スラント』がマルバの顔をかすめ、左肩まで持ち上がった。
これは『流星乱舞』のフィニッシュで使う『アーク』の発動態勢。
しかし、シリカは先程『アーク』を放ったばかりだったために『アーク』は冷却中だ。
つまり……万事休す、打つ手なし。
マルバの顔に勝利の笑みが浮かぶ。
しかし、シリカも諦めるつもりはなかった。
シリカの左拳が固く握りしめられる。
マルバの右手が必殺の『双牙』を繰り出したが、シリカはそれを無視して『閃打』でマルバのがら空きの脚を打った。
マルバの『双牙』はシリカの肩にクリーンヒットし……全く同時に、シリカの『閃打』がマルバのHPをイエローに染め上げた。
【DRAW!】
「いやー、まさか引き分けに終わるとは思わなかった!」
「私もです。引き分けなんてあり得るんですね〜」
シリカとマルバは楽しそうに笑いながら帰路を辿っていた。
夕焼けの空の下、街の建物は皆真っ赤に染まっていた。
「それで、ヒースクリフはどこか変なところ、あった?」
「ピナのバブルブレスが効きませんでした。あと、一回ちょっと盾が速く動きすぎた気がしました」
「バブルブレスが? いや、そういえばユキの幻惑も効いてなかったな」
「それと一番おかしいと思ったのは、あの人はまるでマルバさんみたいに私の攻撃を防いでいたところです。私が撃つ攻撃の軌跡を完全に把握していたんです。短剣使いじゃなければできないような動きでした」
「ふうん? 僕の『流星乱舞』は読めてないように見えたけどなあ」
「あっ、そういえば『流星乱舞』使ってくれたんですね。どうでした?」
「ピックが足りなかった」
「あはは、やっぱり。あれ、本格的に使おうと思ったらポーチの中ピックだけにしとかないと無理ですよ」
シリカは少し嬉しそうに笑った。自分が考えたスキルをマルバが使ったことが嬉しかったようだ。
「話を戻しますけど、やっぱりヒースクリフさんはなにかおかしい、って
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