第8話:仇を恩で返す(?)
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ダークマーメイド達と手を組んで多くの漁船を難破させて多くの漁師を食い殺していたツノクジラを倒したグートミューティヒ。
が、グートミューティヒが倒し損ねたダークマーメイドが彼の後を尾行していた。
彼女の名は『アム』。
アムもまた、多くの漁船を難破させたダークマーメイドであり、それを邪魔したグートミューティヒを激しく恨んでいた。
(待ってなさい糞女!私達の楽しみを邪魔した事を必ず後悔させながら殺してやるわ!)
アムの決意は固いが、肝心のダークマーメイドはあまり強いモンスターではなかった。
体当たりなどの一般的な攻撃を除くと、歌を歌って対象者を指定場所に移動させる事しか出来ないのである。
故に、難破の原因と結託しないと人間が使用する船舶と互角に戦えないのである。
しかも、ダークマーメイドは本来、海や湖に巣食うモンスター。
だが、今グートミューティヒがいるのは水気の無い地上。
地上を移動できない訳ではないが、それでも水中の方が圧倒的に速い。
正に丘の上の河童!牙をもがれたライオンの様であった。
しかも、今回のターゲットはツノクジラすら倒したグートミューティヒ。
アムは果たしてどうする心算なのだろうか?
「およ?」
グートミューティヒは不思議な歌に誘われる様に森の中に入ってしまった。
「ここは……」
その時!
「うわぁー!?」
何かに両足を引っ張られて逆さ吊りにされるグートミューティヒ。
「おやおや?僕の餌場にのこのこやって来るなんて……随分とおバカさんなお嬢ちゃんだねぇ」
「肉食樹木……トレントか?」
「ほおぉ!結構物知りだな?まさか、最近話題の『星空の勇者』かな?」
物陰に隠れながら戦況を観ていたアムが邪な笑みを浮かべた。
(トレント……奴らはただの木ではない!根、枝、蔓、葉、果実、全てがトレントの武器。しかも、噛む力はワニ以上……トレントの口に入った時点で、あの糞女は終わり!)
結局、アムの手段はダークマーメイドの常套手段である歌を利用した他力本願である。
が、先に悲鳴を上げたのはトレントの方だった。
「グギャアァーーーーー!」
「え?……何いぃー!?」
どうやら、ブビィのほのおのうずを受けてトレントが火達磨になってしまったのだ。
(そ……そうだったぁー!モンスターのクセにあの糞女の味方をする変わり者がいたんだったぁー!)
アムが自分の失念を後悔している間もトレントは燃え続け、遂に灰になってしまった……
「あれ?」
グートミューティヒの前に3人のグートミューティヒが現れた。
「これは……どう言う事だ?」
これもまた、アムの陰謀だった。
(くくく、ドッペルゲンガーはただの黒いスライムじゃない。ターゲットに変身してターゲットを惑わしてターゲットを食い殺す……困れ困れ。もっと困れ!)
ア
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