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星河の覇皇
第八十六部第四章 エウロパが受けた衝撃その三十

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「そして差も実は誤差の範囲だ」
「連合各国とエウロパ各国のそれを比較しても」
「その実そうですね」
「誤差の範囲ですね」
「それに過ぎないですね」
「そうだ、しかしだ」 
 それでもというのだ。
「やはりいいに越したことはないな」
「食事によって上げることもですね」
「それも重要ですね」
「何でも上げていくに越したことはないので」
「人の能力は」
「そうなる、そして人間の能力は人種や民族による優劣はない」 
 フレッセルはそうした考えは一蹴した、エウロパにいる連合にいるというだけで優劣は決まりはしないというのだ。
「かつて人種論が幅を利かせたが」
「十九世紀から二十世紀にかけて」
「白人至上主義もありましたね」
「かつてのエウロパにもありましたし」
「男爵はその考えについては」
「何の科学的根拠もない」
 こう言って一蹴するのだった。
「まさにな」
「左様ですか」
「我々が優れているかというとそうではない」
「そして連合の者達もですか」
「取り立てて優れてはいませんか」
「そして劣ってもいない」
 逆もないというのだ。
「人間は所詮大した変わりはない」
「能力については」
「誤差の範囲内ですか」
「その優劣は」
「知能指数も運動指数もな」
 その両方がというのだ。
「そして独創性や芸術性もな」
「変わらないですね」
「人種によって決まらない」
「あくまで個人のものであり」
「人種主義は根拠がないのですね」
「だから我々も自信を持ってだ」
 連合に対して劣等感を抱かずにというのだ。
「教育を受けるべきだ、かつて我々エウロパの者達は世界を主導し無敵の半神の様に思われていた」
「当時の有色人種からでしたね」
「そうでしたね」
「その十九世紀から二十世紀半ばまで」
「植民地があった頃は」
「そうだったがその考えは実にあっさりと否定された」 
 そうなったというのだ。
「第二次世界大戦後植民地は次々に独立してだ」
「そこから経済発展を遂げる国が多く出ましたね」
「特にアジア各国で」
「そうなりました」
「そして我々を誰もそうは思わなくなった」
 無敵の半神とだ。
「自分達と同じ人間だとな」
「そしてですね」
「今に至りますね」
「国力で凌駕し」
「そして宇宙進出の頃には圧倒する様になり」
「我がエウロパに幾度も打撃を与えてきました」
 政治的なそれをというのだ。
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