ラルフとクラークの最低な酒の肴
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っ叩かれたり、狂気に満ちた高笑いが響く中で頭を踏んづけられたりする、と……」
「そういうことだ。あいつとお楽しみする前に、全身ズタボロになって病院送りにされるのがオチだぜ」
「うーむ……それでは任務に支障を来しますねえ……」
クラークは腕を組み、よくよく考え直す。
ムチを用いた過激なSMプレイを好みそうなウィップよりも、マグロである可能性が高いレオナのほうがまだマシなのではないか――と。
ところがそう考えた矢先に、レオナにはマグロ云々以前の問題があることにはたと気づいた。
「ですが、それはレオナにも同じことが言えるんじゃないですか?」
「は? そりゃどういうことだ?」
ラルフは口元に運びかけたビールグラスを離し、怪訝そうに尋ねてきた。
「ほら、彼女には暴走癖がありますから……。さあこれからお楽しみだ! って時に覚醒されたら一巻の終わりですよ。あらゆる意味で無防備なこっちは」
「ああっ、その問題があったか! そうなったら病院送りにされるどころか、確実にあの世行きになるよな」
青ざめたラルフがぶるぶると肩を震わせている。今度はどうやら演技ではないようだ。
恐怖を振り払うかのようにビールをぐいぐいと飲むラルフを眺めているうちに、クラークはレオナとウィップに関する根本的な問題に思い至った。
「……大佐。どっちが可愛いだとか、夜の相性はどうだとか話し合う前に、もっと肝心なことを考えるべきではないでしょうか?」
「肝心なこと? 他に何かあったか?」
「ええ、大いにあります。あの二人は、どちらも純粋な人間ではないですからね」
最大の問題点をクラークが指摘すると、ラルフは一瞬固まり、
「あ、ああ……すっかり忘れてたぜ。レオナはオロチと人間のハーフで、ウィップは強化されたクローン人間だもんなぁ……」
と言ってがくりとうなだれた。
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