何でも許せる方向け(コメディ/ギャグ)
ウィップとレオナのガールズトーク 〜ラルハラも添えて〜
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いのか――と。
だが、あえてそれらの点には触れずに話を進める。
「でも、中尉はあんなにイケメンで知的で常識人なのに、どうしてあの歳になっても独身のままなのかしら? あの強烈なキャラの大佐でさえ一度は結婚したことがあるっていうのに」
「その理由……聞いたことがあるわ」
「ほんと!? 興味あるわ。こっそり教えてよ」
「ええ、いいわよ」
レオナは椅子ごとウィップに近づき、元々小さい声をさらに潜めて話し出した。
「……大佐いわく、中尉は常識人の皮を被ったやべぇ奴だそうよ」
「そう、大佐がそんなことを……。で、中尉はどうやばいの?」
「病的なプロレスマニアかつガンマニアで、その二つについて語り出すと翌朝まで止まらなくなるらしいわ。その他にも、ベッドの上でプロレスの寝技をかけたがる性癖があるとか……士官学校時代の癖が抜けなくて、掃除や靴磨きやベッドメイクのやり方に物凄くうるさい小姑みたいな奴だとか……そんな噂を聞いたわ」
「その噂が全部事実だとしたら、結婚どころか恋愛にも向いてなさそうね……」
ウィップは指先を額に当て、溜め息をついた。
「中尉が結婚できない理由は大体わかったけど、大佐が離婚した理由は何なのかしらね?」
「さあ……それは知らないわ」
「あの人のことだから、どうせモラハラやDVで離婚したに違いないわよ」
「誰がモラハラDV夫だとぉぉぉっ!?」
突然、ドスの利いた声が背後から聞こえてきた。
ウィップは嫌な予感に駆られ、スローモーションのように振り返る。
案の定、鬼のような形相をしたラルフが見下ろしていた。
「た、大佐! いつの間にそこにいたんですか!?」
「さっきからずっといたぞ。ったく、俺の気配に気づきもしねえでくっだらねぇ噂話ばかりしやがって。それでも特殊部隊の一員か?」
ラルフは呆れたようにふんと鼻を鳴らした。
悔しいが、彼の気配に全く気づかなかったことは完全に不覚だ。今回に限っては返す言葉も無い。
「……申し訳ありませんでした」
ウィップとレオナは声を揃えて頭を下げた。
「ああ、レオナ。謝らなくてもいいぞ。お前は俺の魅力をよーくわかってるからな」
ラルフは娘にデレデレな父親の如く頬を緩め、気安くレオナの肩をぽんぽんと叩いた。
――まったく、レオナに対しては甘いんだから。部下によって露骨に態度を変える上官なんて、上官失格よ!
内心不満たらたらのウィップは半眼でラルフを睨む。
その視線に気づいたラルフが締まりのない笑顔を一変させ、険しい表情を見せた。
「ムチ子、てめえは上官に対する不敬罪で追って処罰する。覚悟しとけよ」
「不敬罪って……王族や皇族じゃあるまいし」
ウィップはぼそりと呟き、鼻で嘲笑っ
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