意外な真実
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も」
「ほう。何でだ?」
「アメリカ海軍出身の男性隊員は、隙あらば女性に手を出そうとしますから」
「あいつらに何かされたのか!?」
急にラルフが血相を変えて顔を近づけてきた。
彼の勢いに押されたレオナは反射的に身体を引き、首を横に振る。
「いえ……デートに誘われたことはありますが、断りました」
「そうか。そりゃ賢明な判断だ」
ラルフは心底ほっとしたように息を吐き、白い歯を覗かせた。
「海軍上がりの野郎は、盛りのついた猿みてえなもんだからなぁ。若い女を見りゃあ見境もなくケツを追っかけて、おっ勃てた×××をぶち込むことしか考えねえ下劣な連中だ」
ラルフが口にしたあまりに下品な言葉を聞いて、レオナは思わず眉を顰めた。
同じくウィップも眉根を寄せ、軽蔑するような眼差しをラルフに向けている。
数秒の間を置いて、クラークが口元に拳を当てて咳払いをした。
「大佐、下品な表現は謹んでください。年頃の女性が二人もいるんですから」
「おう、悪ぃ悪ぃ。そんなわけだから、もしアメリカ人の隊員と付き合うなら、陸軍上がりの男にしておけよ。真面目な奴が多いからな。海軍上がりは論外だ」
そう言ってビールを呷ったラルフを、ウィップが半眼で眺める。
「陸軍上がりの大佐がそう仰っても、説得力が無いんですけど……」
「あ? 言っておくがな、俺は女に対して不誠実な真似をしたことはねえぞ。女房がいた時だって、一度も浮気したことはねえんだからな」
「えっ!?」
レオナとウィップは同時に驚きの声を上げた。
「失敬な。そんなに驚くこたぁねえだろ」
「だ……だって、独身って言ってたじゃないですか!」
「そっちの話に反応してたのかよ!?」
ラルフは大げさに目を見開き、深い溜め息をついた。
「それはなぁ、今現在シングルだっつう意味で言ったんだ。わざわざバツイチだと説明する必要もなかったからな」
「そうだったんですか……」
ウィップは唖然とした表情を浮かべてラルフの顔を凝視している。
レオナもまた驚愕しながらラルフを見つめていた。
二時間後、飲み会がお開きになった。
皆と一緒に空母に戻ったレオナは、ウィップに誘われて飛行甲板に上がった。
夜空には冴え冴えとした満月が浮かび、無数の星が宝石のように輝いている。
空母や岸壁を撫でる波の音がかすかに聞こえてくるだけの静かな夜だ。
「それにしても、ほんと驚いたわね。大佐がバツイチだったなんて」
「ええ……」
レオナはウィップの話に同意して頷いた。
あのラルフに妻がいたとはとても想像し難い。それが偽らざる本音だった。
「まあ、冷静に考えてみれば、大佐は私達より倍以上も歳が離れているんだから、過去に
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