怒チーム オールキャラ
大切な戦友のために
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行甲板へ行こうぜ。天気もいいしよ」
「見てわかりませんか? 読書中ですよ。邪魔しないでいただきたいのですが」
手にしている本をひらひらと振り、クラークは盛大に溜め息をついた。
どう見ても嫌味な態度でしかないのに、イケメンモデル並に整った顔のおかげで妙に物憂げに見えるのがまた腹が立つ。
「なんつう言い草だ! 人がせっかく心配してやってるっつうのによ」
「大佐に心配されるようなことは何ひとつありませんがね。それより、ご自身の心配をされたらいかがですか? そろそろ前線から引退する歳も迫ってきていることですし」
クラークは笑い混じりに言った。
彼の茶化すような言動に我慢ならなくなったラルフは拳をわななかせ、
「もういい! 鬱になって自殺しても弔ってやらねえからな!」
「……は?」
怪訝そうな眼差しを向けてきたクラークに背を向け、ラルフは大股に図書室をあとにした。
――あんな奴がどうなろうが知ったことか!
本心とは裏腹なことを心の中で叫びながら、隣にあるインターネット区画に立ち寄る。娘や友人からメールが来ているかどうかチェックするためだ。
空いている座席に腰を下ろし、専用のメールシステムにログインする。娘と三名の友人から返信が届いていた。
ラルフは早速返事を書き、メールを送信した。
席を立ち、インターネット区画から廊下に出ると、偶然ウィップと鉢合わせした。
「おはようございます、大佐」
ウィップはラルフの前で立ち止まり、折り目正しく敬礼した。
おはよう、と返しながら、ラルフはオフの日にウィップを見かけた場所を思い出す。
ラウンジやインターネット区画でよく見かけるが、レオナと一緒にトレーニングに励んでいることもある。
天気の良い日に飛行甲板でばったり遭遇したことも何度かあったので、運動不足や日照不足に陥っている可能性は低そうだ。
だが、ここで会ったのも良い機会だ。ラルフはウィップを日光浴に誘うことにした。
「ムチ子、一緒に飛行甲板へ行かないか? 天気もいいし、日光浴するにはうってつけだぞ」
「えーっ、大佐とですかぁ? どうせならもっと若いイケメンと一緒に甲板デートしたいんですけどぉ」
ウィップは口を尖らせ、露骨に不満を表した。まったく可愛げのない部下だ。
「うるせえ! 俺だってなあ、お前みてえな色気のねえガキより、もっとセクシーな女がいいっつーの!」
「ちょっと! 今の発言、セクハラですよ!」
「先にハラスメントしたのはお前のほうだろうが! 遠回しに俺のことを不細工なおっさんだと言いやがって」
「そんなこと、一言も言ってないじゃないですか!」
「言ったも同然だ! ほんっとにお前はいつも可愛げのねえ――」
「静かにしてください!
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