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英雄伝説〜黎の陽だまりと終焉を超えし英雄達〜
第35話
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「おら、その辺にしとけ。とっとと片付けに行くぞ!それとアーロンは今の内にユエファを呼んどけ。」

そして言い合いをしているフェリとアーロンの様子に我に返ったヴァンは二人に注意した後アーロンにユエファを召喚するように指示をした。

「あん?小娘の天使みたいに、いざという時に手を貸してもらえばいいんじゃねぇのか?」

「あの時は万全じゃなかったメイヴィスレインにアルマータの幹部達との戦いに備えて回復に専念してもらっていたってのもあるが、道中の魔獣との戦闘でユエファの戦闘能力を確かめるという必要もある上、マルティーナと違って実戦経験が少ない彼女との連携も実戦で慣らす必要があるからな。」

「言われてみればそうだな――――――つー訳で頼むぜ、オフクロ。」

手配魔獣にもたどり着いていないにも関わらずユエファを呼ぶように促したヴァンの意図を知って納得したアーロンはユエファを召喚した。

「フフ、黒龍城塞(ヘイロンジャーイセン)以来の実戦ね。アーロンもそうだけど、ヴァンさんとフェリも改めてよろしくね♪」

「はい!こちらこそよろしくお願いします!」

「一応確認しておくが、”魔弓”による奇襲で怯んでいたとはいえ、黒月の”裏”の使い手であるあの凶手達を制圧できるほどの戦闘能力はあるようだが…………人間だった頃は実戦とは無縁だったあんたがそれ程の戦闘能力がある理由は…………もしかして、”使霊”になってからマルティーナに指導してもらっていたからか?」

ユエファにウインクされたフェリは元気よく答え、ヴァンはユエファにある確認をした。



「フフ、さすがヴァンさんね。ええ、マティに”使霊”として生み出されてからはアーロンが外出している間や夜寝ている間に、マティに指導してもらったわ。指導の一環として煌都近郊の街道を徘徊している魔獣との戦闘も経験しているから、一応ある程度の実戦経験自体はあるわよ。」

「ったく、まさか長年俺が目を離している隙を狙って姉貴共々コソコソとそんなことをやっていたとはな…………」

「ですが、”魔獣との実戦”と”人との実戦”はかなり違いますのに、あの時はよく凶手の人達を無力化できましたよね…………」

ヴァンの確認に対して答えたユエファの話を聞いたアーロンは苦笑しながらユエファを見つめ、あることが気になっていたフェリは目を丸くしてユエファを見つめて指摘した。

「フフ、役者時代に殺陣(たて)も経験しているからというのもあるけど、マティの話によると”使霊は生み出された時点で使霊を生み出した天使自身の力量に応じた戦闘能力が備え付けられている”からというのもあるわ。」

「…………?どういう事なんでしょうか?」

「恐らく端末にデータをインストールして、そのインストールしたデータがすぐに
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