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英雄伝説〜黎の陽だまりと終焉を超えし英雄達〜
第35話
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没後に自然保護を兼ねて開園したからな。確か革命を始めた頃は二十歳かそこらの学生だった筈だ。クセの強い連中をまとめ上げての大革命…………エレボニアの侵攻もあったしな。」

「ハッ、そう聞くと随分と気合が入った女みてぇだが。」

「…………はい。この像も凛々しくて素敵ですよね。…………ですが彼女達による民主化革命も…………」

ヴァンの説明を聞いて鼻を鳴らしたアーロンと共にフェリは銅像を見つめたがある事実を思い出して複雑そうな表情を浮かべ

「4年前のメンフィル・クロスベル連合による電撃的な速さの侵攻によってカルバード全土が占領されたことでカルバード共和国は滅亡して連合の属州化しちまった事でシーナ・ディルク達による民主化革命も元の木阿弥になっちまったな。」

「唯一の救いだったのは汚職に塗れ、権力欲に満ちたカルバード王国時代の王族や政治家達と違って両帝国の皇族達にそうだが政府も清廉潔白かつ寛大で、それぞれ属州化したカルバードを巧く治めている事だろうな。実際、カルバード共和国がメンフィル・クロスベル連合によって滅ぼされた事で王政国家である連合にとって目障りな民生国家の象徴と言ってもいい彼女の銅像の破壊もしくは撤去も考えられていたとの事だが、連合がカルバード全土に渡っての市民達による反対の署名運動や前北カルバード総督の説得を受け入れた事によって、こうして今も彼女の銅像が無事でいられているとの話だからな。」

複雑そうな表情を浮かべたフェリの言葉の続きをアーロンが真剣な表情で答え、ヴァンは銅像に関するある事実を二人に説明した。

「そうだったんですか…………」

「ん、どうかしたのか?」

相槌を打った後銅像をジッと見つめているフェリが気になったヴァンは不思議そうな表情でフェリに訊ねた。



「いえ、何かこう…………何でしょう、見覚えがあるような。」

「ハン?言われてみりゃ、俺も微妙に見覚えがあるような。煌都で引っかけた西方娘でもなさそうだが。」

フェリの言葉に頷いたアーロンは眉を顰めて銅像を見つめて呟いた。

「引っかけた?」

「…………そこからかよ。チッ、ネンネのガキってのも意外とやりにくいな。」

自分が口にした言葉の意味がわからない様子のフェリにはアーロンは肩をすくめて苦笑し

「むっ…………」

アーロンの自分に向けた言葉が自分を馬鹿にしているような事であると本能的に察したフェリはジト目でアーロンを睨んだ。

(……………………?教科書にも載ってるような偉人に見覚えも何もねえ気がすんだが――――――)

一方何かの違和感を感じたヴァンは戸惑いの表情で銅像を見つめていた。



「だから何を引っかけたんですか?」

「いや、食い下がんなっつの!忘れろ!」

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