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八条学園騒動記
第七百五十三話 文豪で色豪その三

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「ただ遊んでるだけじゃない」
「それも何人との人とね」
「いつもよね」
「それをお友達によ」
「豪語していたのね」
「それが楽しみだったのよ」
「不倫で訴えられたらよかったのよ」
 エイミーは心から言った。
「それで離婚とか裁判とか慰謝料とか」
「そうした展開になればよかったのね」
「そうよ」
「だから奥さんもね」
 ジョーはまたこのことを話した。
「好き放題ね」
「浮気してたの」
「ダブル不倫だったから」
「それもお互い何人もの人と」
「全然気にしてなかったから」
 尚デュマは妻とも関係があった。
「だからね」
「そうしたお話にならないのね」
「今だってね」
「そうなのね」
「ただお城に住んで」 
 ジョーはデュマの女性関係以外のことも話した。
「人にも気前よくて豪遊ばかりして」
「あっ、それだと」
 ベスは話を聞いてすぐにわかった。
「幾らお金稼いでも」
「わかったでしょ」
「すぐになくなるわね」
「実際にそうでね」
「やっぱりね」
「亡くなった時はね」
 まさにその時はだ。
「作家活動はじめた」
「お金なかった頃と」
「同じ位のお金しかね」
「財産なかったのね」
「それを息子さんに言ったそうよ」
「そうだったのね」
「作家のね」   
 彼が大デュマと呼ばれるのに対して息子は小デュマと呼ばれている、ヴェルディの歌劇で有名な椿姫の作者である。
「その人にね」
「凄い人生ね」
「小説を書き続けてね」
「そして豪快に遊んで」
「それで死んだのよ」
「そんな人だったのね」
「そうだったのよ」  
 アレクサンドル=デュマという人物はというのだ。
「太く長くね」
「長くなの」
「結構長生きしたから」 
 彼が生きた時代ではだ。
「そう言うべきでしょうね」
「そうなのね」
「まあ幸せだったと思うわ」
「そうよね」 
 ベスもそのことには同意した。
「お話聞いてたら」
「好きなだけ小説書いてね」
「浮名も散々流して」
「豪遊しての人生だったから」
「悔いはなかったわね」
「何か連合的よね」
 ここでジョーはこう言った。
「お話聞いてたら」
「そうね」
 ベスはまた同意して頷いた。
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