第七百五十三話 文豪で色豪その二
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「その現場をデュマが見て」
「修羅場ね」
「いや、気にせずにね」
「自分も浮気してるから」
「その浮気相手デュマのお友達だったけれど」
「余計に修羅場になるでしょ」
ベスはここまで聞いてまた思った。
「尚更」
「それがなのよ」
「気にしてなくて」
「そのお友達にね」
妻の浮気相手それも現場でというのだ。
「君の遊びには何も言わないってね」
「言ったの」
「大笑いしてね」
そのうえでというのだ。
「終わったそうよ」
「そうだったの」
「兎に角凄い女好きでね」
「いつも何人も愛人さんいたの」
「そうだったのよ」
「ある意味凄い人ね」
「フランス人って」
メグは軽蔑している声で言った。
「エウロパでも特にね」
「こうしたお話多いわよね」
ジョーもそれはと返した。
「そうよね」
「どうもね」
「ルイ十四世とかね」
その三銃士後半の時の国王でもある。
「何かとね」
「女好きの人多いわね」
「ええ、それでね」
「デュマさんもだったの」
「桁外れの女好きで」
そうであってというのだ。
「その自慢をね」
「してたの」
「何でもその辺りにある食材適当に使った」
「食材?」
「お家にあるね」
こう姉に話した。
「それで作ったオムレツで」
「あっ、卵の中に入れるのね」
メグもここまで聞いてわかった、四人姉妹の中で料理は彼女が中心なのでそれですぐにわかったのである。尚四人共料理を作るがジョーは一番腕が落ちると言われている。
「そうしたオムレツね」
「特大のそれを作って」
そうしてとだ、ジョーはさらに話した。
「お友達と一緒に食べながら」
「自分の女遊びをお話していたのね」
「誇らしげにね」
そうだったというのだ。
「それが楽しみだったのよ」
「最低」
そこまで聞いてだ、エイミーはこれ以上ないまでに顔を顰めさせて言った。
「何それ」
「そう思うわよね」
「作品は面白くてもね」
ジョーにそれでもと答えた。
「人間としてはね」
「最低よね」
「オムレツはいいわよ」
それを食べることはというのだ。
「別にね」
「そうよね」
「けれどね」
「女遊びのことをお話するのはね」
「それも誇らしげにでしょ」
「武勇伝としてね」
「それ武勇伝じゃないから」
エイミーは断言した。
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