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第百二十九話 運動会の進展その九

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「お味噌が高価で」
「贅沢だったのね」
「そうだったのよ」 
 こう留奈に話した。
「それでぬか味噌の」
「お吸いものもあったの」
「実際まずかったらしいけれど」
 それでもというのだ。
「昔はそのぬか味噌もね」
「贅沢なものだったの」
「そうなのよ」
「成程ね」
「お味噌はね」 
 一華もこう言った。
「お味噌汁にするなら」
「普通のお味噌よね」
「ええ」
 まさにというのだ。
「もう他はね」
「ないわね」
「ぬか味噌はね」
 こちらはというのだ。
「実際どうしてもね」
「無理なのね」
「考えたことはなかったわ」
 それこそというのだ。
「これまでね」
「一度もなの」
「そう、今のままでね」
「そうしたお料理あるって聞いても」
「全くね、それで今もね」
「考えてないのね」
「そうよ、私もお味噌好きで」
 それでというのだ。
「お味噌汁よく飲むしお魚も」
「お味噌で味付けしたら」
「大好きよ、それで焼いたらね」
 そうしたらというのだ。
「ご飯がどんどん進むわ」
「そこまで好きなのね」
「ええ、けれど」
 それでもというのだ。
「もうね」
「ぬか味噌は」
「お漬けものに使って」
 そうしてというのだ。
「それでね」
「他は、なのね」
「考えられないわ」
「そうなのね」
「それでも昔はそうして飲んでいたのね」
「徳川家康さんは」
「そういえばね」
 富美子はこう言った。
「三河武士よね」
「家康さんはね」
「家臣の人達もね」
「お隣の尾張と違って」
 そこに信長と秀吉がいた。
「貧乏だったらしいから」
「今は同じ愛知県でも」
「それでもね」
「当時はお国が違って」
「それでね」
 そのうえでというのだ。
「お隣でも」
「尾張と違って」
「貧乏で」
「徳川家もなのね」
「そうだったらしいわ」
「そうなのね」
「だからね」 
 貧しさ故にというのだ。
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