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媽祖
第二章

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「私は夢の中で右手で」
「どうしたの?」
「上の兄さんの船を持って」
 そうしてというのだ。
「左手で下の兄さんの船を持ったの」
「そうなるとお父さんの船は」
「お口で持ったわ、そしてね」
 そのうえでというのだ。
「嵐に遭っていない」
「そうした海になのね」
「運んだわ」
「そうしたの」
「そんな夢だったわ」
「不思議な夢ね、あんたは仙術を学んでいて」 
 母はこのことから話した。
「そちらも使えるわね」
「まだまだだけれど」
「けれど持っているから」
 その仙術をというのだ。
「だからね」
「それでっていうのね」
「その力で」 
 仙術のそれでというのだ。
「見えたのかしら」
「そうかしら」
「どうもね」
 娘に考える顔で述べた。
「それは」
「それじゃあ」
「ええ、あの子達はね」
 母は自分から見た黙娘の兄達のことを話した。
「海で嵐に遭っていて」
「お父さんも」
「それをあんたがよ」
「助けたの」
「そうじゃないかしら、若しそうだったら」
 母はさらに話した。
「あの子達もお父さんもね」
「助かったのね」
「あんたのお陰で」
「夢のことだけれど」
「夢でもよ」
 そちらの世界のことでもというのだ。
「そうなったのよ」
「そうなの」
「だからね」
 それでというのだ。
「暫くしたらわかるわ」
「兄さん達とお父さんのことが」
「若し助かっていたら」
 黙娘が夢で見た様に海の嵐からというのだ。
「あんたのお陰よ」
「そうなるの」
「その時はね」
 こう言うのだった、そしてだった。
 三日程経つとだ、家に若い官吏が来て言ってきた。
「あの、都巡殿ですが」
「何かありましたか」
「海で嵐に遭いましたが」
 それでもというのだ。
「無事にです」
「助かったのですか」
「そして港に着かれました」 
 そうなったというのだ。
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