第二章
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「そうだよ」
「それで街の何処に何があるかか」
「街のあちこちに書いてある文字読んでわかるよ」
そうだというのだ。
「俺はな」
「そうか、文字がわかるなら」
それならとだ、叔父は甥の話を聞いてこう言った。
「役人の人にそのこと言ってみろ」
「お役人さんにか」
「そうしたら何か仕事貰ってな」
「貰えるものがあるか」
「そうなるかもな、だから言ってみろ」
「それじゃあな」
ナイルは叔父の言葉に頷いた、そして街から帰って暫くしてから役人にこのことを話すと役人に実際に文字を見せられてだった。
読めるかと聞かれて出された文字と言葉を全部読むと役人にこう言われた。
「実は今役人の数が足りていない」
「そうなんですか」
「よかったらどうだ」
「俺が役人になるんですか」
「貴族になってな」
「俺が貴族に」
「そうだ、信じている神の神官にもだ」
それにもというのだ。
「なれるぞ」」
「そうなのですか」
「そうだ、では役人になるか」
「そうなるなら」
役人、即ちファラオに仕える様になれば今の百姓生活とは全く違ういい暮らしが出来る。そう思ってだった。
ナイルは役人になった、すると文字が読めるのでその仕事も出来て神官とも普通にやり取りが出来てしかも書けるのでどんどん仕事が出来てだった。
彼は出世して神官にはならなかったが貴族になった。それでもうかなり老いていたがそれでも建材のトトスの家に行って言った。
「いや、本当に文字を教わったお陰で」
「貴族にもなったな」
「嘘みたいだよ、役人になるかって言われて」
その誘いに乗ってなってというのだ。
「それから仕事が出来るって認められて」
「出世してだな」
「今じゃ遺族だよ、爺様に文字を教わったのはたまたまでも」
トトスが家の隣に来たからだというのだ。
「それからこんなことになるなんてな」
「それが文字だ、読んで書けるとな」
「それだけで違うんだな」
「書も読めるであろう」
パピルスに書かれたそれをというのだ。
「それで色々知ることが出来るな」
「毎日書も読んでるよ」
「そうもしているか」
「知ってればそれだけいいことがあると思って」
「それでいいことがあるな」
「知ったことで何かと助かっているよ」
書を読んでというのだ。
「本当に」
「それも文字が読めるからだ」
「全部そうか」
「そうだ、文字はそうしたものだ」
「読んで書けるとか」
「大きな力になる」
そうなるとだ、トトスは話した。
「そうしたものだ」
「そうだな、そのことを子供達にも話そう」
そして文字を学ばせようとだ、ナイルはトトスに笑顔で答えた。そのうえで彼を恩人として今一家で暮らしている貴族が住むいい家に迎えたのだった。
ナイル
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