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氷のローマ
第二章
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「過ごしやすいと」
「それがまた違う場合もです」
「あって」
「こんな時もあります」
「そうですか」
「運がいいか悪いかわかりませんが」
 それでもというのだ。
「こうした場合もあります」
「沖縄や鹿児島と違いますね」
 理恵は自分が縁がある場所のことをここで思い出した。
「どうも」
「緯度が違いますから」
 それ故にとだ、十和子も本場のラザニアを食べつつ答えた。
「どうしても」
「そうなんですね」
「ですから」
 それでというのだ。
「あまり、数年か十年に一度位でも」
「雪が降ってですね」
「そして積もって」
 そうなってというのだ。
「この通りです」
「銀世界になるんですね」
「そうです」
「緯度のこともあって」
 ローマがあるそれのというのだ。
「こうなります」
「そうなんですね」
「晴れやかな空のイメージが強いですよね」
「はい、ローマっていいますと」
 確かにとだ、理恵は答えた。
「そうなります」
「雨も降りますし」
「雪もですね」
「そうです」
「そうなんですね、けれど」
 ここで理恵は自分達がいる朝食を摂っているレストランの窓からだ。
 外を見た、そうしてこう言った。
「奇麗ですね」
「雪と氷に覆われたローマは」
「最初は驚きましたが」
 思わぬ事態にだ、理恵は本当にローマに雪が降ってしかも積もりかつ凍ってさえいることなぞ思いもしなかったのだ。
「ですか寒くても奇麗で」
「そうですね、私もはじめてす」
「こうしたローマは」
「仕事で何度か来ています」
 ツアーコンダクターのそれでというのだ。
「ですがこうしてです」
「雪が積もっているのは」
「はい、ですが」
 それでもというのだ。
「確かに奇麗ですね」
「この世のものとは思えない位ですね」
「只でさえ美しい街なのに」
 ローマ、この街はというのだ。
「そこに白と銀色で化粧されますと」
「尚更ですね」
「本当に」
「いい思い出になります」
 にこりとしてだ、理恵はこうも言った。
「本当に」
「それは何よりです、では今回のツアーの間は」
「このローマをですね」
「楽しませてもらいます」
「ではそうされて下さい」
 十和子は理恵の言葉に笑顔で応えた、そうしてだった。
 理恵そして他のツアー参加者と共に冬の雪と氷で覆われたローマを楽しんだ、寒くツアーは出来ても積雪の分確かに不便だった、だが。
 今回のことはいい思い出になった、それは理恵もであり。
 ツアーの間白銀の古都を自分のスマートフォンで何度も撮影してだった。
 その画像を自身のSNSに投稿した、その画像はどれも好評で彼女にとっては尚更いい思い出になった。彼女にとってはそうした意味でも最高の旅行になったのだった
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