第三章
[8]前話
福島もだ、仰天して叫んだ。
「なっ、無茶苦茶評判が悪いよ」
「はい、先生の連載の中でもです」
「ダントツで悪く書かれてるよ」
「それで他の連載作品にもです」
「こんなのだと読まないとか言われてるね」
「そうです、ですから」
そうした状況だからだというのだ。
「あの作品はです」
「打ち切るんだ」
「それしかないかと」
「アンケートは最下位でネットでも評判が悪くて」
「他作品にも影響が出ているので」
「それじゃあ」
「今月で」
今描いている分でというのだ。
「終わりということで」
「仕方ないね」
福島も観念するしかなかった、雑誌という媒体で連載を持っているだけに。
「それじゃあ」
「そういうことで、それでこちらでの雑誌での連載は」
「なしだね」
「暫く、それでほとぼりが冷めて」
それからというのだ。
「ギャグで」
「他の連載みたいな」
「それでいきましょう」
「それじゃあね」
多くは言わず描いてだった。
打ち切りを受け入れた、そのうえでほとぼりが冷めてからその雑誌で新連載を持ったが。
「あの馬鹿の漫画か」
「また馬鹿言うだろうな」
「面白くねえに決まってる」
「他の連載だってな」
「どういった奴かわかったよ」
読者達はこう言って冷めた目で彼の作品を読む様になった、人気は以前より明らかに落ちた。それはずっと続き。
後になってだ、彼は漫画家を続けながらもその時の編集者に話した。
「政治漫画は難しいね」
「先生あの時から人気落ちましたしね」
「うん、頭がよくないと描けないよ」
その時になって言うのだった。
「今は実感するよ」
「そうですか」
「人気は落ちたままだからね」
身を以て知ったと言うのだった、そして政治とは別の作品を描くのだった。
馬鹿が描く政治漫画 完
2023・10・14
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