第三章
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「肉球を触ったから仕置きを与えると」
「逆に頭を叩いた」
「そしてクロの嫌う持ち上げを行った」
「それもご母堂が止めるまで延々とだ」
「許せぬな」
「少し罰を与えるか」
「そうするか」
「何その手前勝手な理屈」
亜衣は猫達の話を聞いて顔を顰めさせた、そこで目が覚めた。すると朝起きて変な夢を見たと思いつつまずはトイレに行く為にベッドから出て部屋のドアを開けたところでだ。
ドアの端に足の小指をぶつけた、随分と痛かった、そこで夢で猫達が言ったことはこういうことかと痛いと思いつつトイレをした。その後で着替えて朝食を食べている時に父の横にいる母に言うとだった。
母は笑ってだ、娘に言った。
「そうよ、猫はね」
「いじめるとなの」
「そうしたことがあるのよ」
「いじめていないのに、私」
「あんたがそう思ってもね」
「猫はそう思うのね」
「そうよ、だからね」
それ故にというのだ。
「あまりきつくはね」
「クロを叱ったら駄目なの」
「少し怒る位にして」
そうしてというのだ。
「そのうえでね」
「大目に見ることなの」
「許してあげることよ」
「そうなのね」
「それが猫よ、気ままだってことはね」
そうした性格であることはというのだ。
「わかったうえでね」
「一緒に暮らすの」
「そうしないと駄目なのよ」
こう言うのだった。
「いいわね」
「夢でも私をいじめたとか言ってたけれど」
「猫から見ればそうだということよ」
「怒っても」
「そうよ、それでね」
「これからは」
「クロに厳しくしないことよ」
くれぐれもというのだ。
「いいわね」
「全く。痛い目に遭ったわよ」
「お仕置きね」
「足の小指をぶつけてね」
「痛かったでしょ」
「かなりね、猫って自分勝手よ」
亜衣は朝食のトーストを食べながら言った、そしてそこでだった。
クロが一家のところに来た、そのうえで一声鳴いてきた。
「ニャア」
「ご飯?」
「そうね」
母も応えた。
「じゃあ今からね」
「ご飯あげるのね」
「そうするわ」
こう言ってだった。
母が立ち上がってそうして猫の食器にキャットフードを入れてクロの前に差し出した。クロはそのご飯を美味そうに食べたが母はそんな彼女を笑顔で見ていた。亜衣はそんな母と猫を見てやはり猫は自分勝手だと思った。
猫をいじめると 完
2023・11・12
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