暁 〜小説投稿サイト〜
島のはじまり
第二章
[1/2]

[8]前話 [1] 最後
「一つ問題がある」
「と、いいますと」
「その二人はまだ子供だ」
「子供は何も知らないですね」
「だからそなたが全て教えてだ」
 そうしてというのだ。
「育ててな」
「しっかりした夫婦にするのですね」
「そうせよ、そして後々島に流れ着く人間も出て来るが」
 ティダはそうした者の話もした。
「よいな」
「そうした人間もですね」
「迎えるのだ、いいな」
「わかりました」
 島建国建はティダの言葉に頷き今度は人間達に彼が知っていることを全て教え彼等に子供が出来たら自分と同じ様に知っていることを全て教える様に告げた。
 そこにティダの言う通り島に流れ着いた人間も出て彼等も迎えて島に人が増えてきた、その中で流れ着いたある人間が変わった植物を持って来た。 
 その植物を見てだ、島建国建は首を傾げさせそのうえでティダにその植物を見せて尋ねた。
「これは何でしょうか」
「これはとてもいいものだ」
 ティダはその植物を見て目を輝かせて答えた。
「これは稲だ」
「稲というものですか」
「これを育てるとだ」
 そうすればというのだ。
「多くの実りが生まれてだ」
「そうなってですか」
「そしてだ」
 そのうえでというのだ。
「人の腹を満たす」
「そうしてくれますか」
「島では狩りや漁や採集をして糧を得ているな」
「はい」
 島建国建はその通りだと答えた。
「そうしています」
「それならだ」
 ティダは彼の言葉を受けて確かな声で言った。
「これからはその稲を多く植えてな」
「そうしてですか」
「田を作り野菜や果物も育ててな」
 そうもしてというのだ。
「農業をはじめてな」
「農業ですか」
「それはわしが教える、だからな」96
 それでというのだ。
「その農業をだ」
「人間達にも伝え」
「島の者達がそちらでも食べられる様にするのだ」
「わかりました」
 島建国建はここでもティダの言葉に頷いてだった。
 そうして人間達に農業を伝えた、すると。
「多くの者をです」
「養える様になったな」
「そうなりました」
「それは何よりだ」
「はい、しかし」
 ここで島建国建はこうも言った。
「これまた随分とです」
「時間がかかったな」
「ここに至るまで」
「そういうものだ」
 ティダは笑顔で答えた。
「世を創ることはな」
「島も然りですね」
「そういうことだ、ではこれよりな」
「はい、この島をこのまま治めていきます」
 島建国建はティダに誓った。
「そしてよき島にしていきます」
「そうするな」
「必ず」
 太陽の神に誓い実際にだった。
 島建国建は神として島を治めていき今に至る、これが沖永良部島のはじまりである。そして島建国建は今もこの島にいてそこにいる人々を見守
[8]前話 [1] 最後


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ