第一章
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島のはじまり
沖永良部島に伝わる話である。
島に石の王と土の妃が生まれ一人の子を為したが。
「何と、子を為してか」
「はい、すぐにです」
「そこで二人共力尽きてです」
「それぞれ石と土に戻りました」
太陽の神ティダ赤い肌と燃え盛る様な黄色い髪の毛を持つその神に従神達が残念そうにこのことを伝えた。
「そうなりまして」
「今島にいるのは子供だけです」
「二人の間に生まれた」
「男の子だけです」
「子供だけでどうして生きられるか」
ティダは難しい顔で述べた。
「ではだ」
「手を打たれますか」
「そうされますか」
「この度は」
「そうする、ここに招こう」
自分がいる天界にと言うのだ、こう言ってだった。
ティダは実際にその子供を展開に迎え彼に島建国建と名付けた、そうして彼を大事に育てていたが。
若く逞しい青年に育った島建国建は自分の出征のことを話したティダに真剣な顔で申し出た。その申し出たことはというと。
「私の生まれた島をです」
「そなたのものとしたいか」
「両親はあの島で生まれましたね」
「そしてそなたを生んで死んだ」
「そしてまだ島に人はいませんね」
「そうだ」
その通りという返事だった。
「まさにな」
「それならです」
是非にとだ、島建国建はさらに言った。
「私に合の島を下さい」
「そなたにはその資格がある」
ティダはは島建国建に確かな声で答えた。
「そなたが生まれた島でだ」
「まだ人はいないので」
「そうする資格がある」
まさにというのだ。
「そなたの言う通りだ」
「左様ですね」
「だが私や太陽の神だ」
ティダは自分のことも話した。
「だからだ」
「私にあの島を与えることはですか」
「その力はない」
このことをはっきりと話した。
「悪いがな」
「そうですか」
「だからニライカナイに行ってだ」
そうしてというのだ。
「そこにいる海の大王に頼むのだ」
「島が浮かんでいる海を治める」
「あの大王にな」
「そうすればいいのですね」
「そうだ」
まさにというのだ。
「だからだ、いいな」
「あの島を治めたいなら」
「そうするのだ」
「わかりました」
島建国建は素直に頷いてだった。
すぐにニライカナイに入ってだった、そこにいる青く多く長い津波の様な髪の毛と髭を持つ彼にだった。
会って島を任せて欲しいと頼んだ、その彼海の大王は特に拒むことなく頷いた。そうしてだった。
彼は島を治めることになったが生きものはいても最も重要な人間がおらずそれでまたティダと話をした。
「島には人間がいないので」
「それで今度はか」
「人間を迎えたいのですが」
「それなら二人の男女を寄越すが」
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