第五章
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「だがどんなに怒っても話を聞いてビンタ一発で済ませる先生もいた」
「昔の海軍もですよね」
「陸軍もでしたね」
「目を閉じて歯を食いしばれって言って」
「それで、でしたね」
「いきなり話も聞かないでは最悪の暴力だった」
その頃でもというのだ、昭和でも。
「まして後ろからなんてな」
「最悪ですね」
「それで最低ですね」
「あいつそんな暴力振るったんですか」
「そうだ、暴力は卑怯なものだ」
監督は部員達に強い声で言った。
「力や立場が自分より下でだ」
「反撃出来ない」
「そんな相手に振るうもので」
「卑怯ですね」
「いじめでも暴力を使うな」
このことも言うのだった。
「そうだな」
「そうですね」
「いじめもそうですね」
「暴力使いますね」
「あいつはヘッドコーチだからだ」
チームの中で監督の次に立場がある。
「そんなことをしたんだ」
「本当に最低ですね」
「話も聞かないで何度もって」
「碌でもない爺と思っていたら」
「最低な奴だったんですね」
「そうだ、あいつは最低な奴だ」
監督もその通りだと言った。
「だから巨人の監督になってもな」
「あの様ですね」
「負けてばかりだったんですね」
「采配が下手で育成も駄目」
「いいところなかったんですね」
「人望は特になかった」
即ち嫌われていたというのだ、徹底的に。
「キャンプの時バー何とかを開いてもな」
「誰も来なかったんですね」
「話もしたくないから」
「それで、ですね」
「そうだった、そして遂に三年契約でだ」
それでというのだ。
「二年で終わった」
「監督辞めることになったんですね」
「まあクビかも知れないですね」
「無能過ぎて嫌われ過ぎて」
「いいところがなかったのね」
「そうだ、俺はオリックスファンだが言う」
他チームそれもパリーグのファンだがというのだ。
「あんな奴の言うことはだ」
「そのまま聞くな」
「反面教師にしろ」
「そうしろっていうんですね」
「野球の在り方も人間としてもな」
その全てをというのだ。
「徹底的にだ」
「反面教師ですね」
「あいつはそうするんですね」
「そのまま聞かずに」
「今時巨人だけか」
野球はというのだ。
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