第八十六部第四章 エウロパが受けた衝撃その二十五
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自身の屋敷に戻ってまた執務に戻ったがイタリア政府の方からの言葉に思わず聞き返した。その言葉はというと。
「私をイタリア教育相にですか」
「はい、首相がです」
イタリアの首相がというのだ。
「言われています」
「推挙という形で」
「左様です」
「そうなのですか」
「男爵のこれまでのお働きを見て」
それでというのだ。
「イタリアの教育において」
「私の考えと手腕をですか」
「そう言われています」
「それはです」
どうかとだ、フレッセルはテレビ電話の向こうの若い官僚に答えた。
「身に余る光栄」
「左様ですか」
「謹んで受けさせて頂きます」
「では」
「はい、この言葉を首相にです」
その彼にというのだ。
「お伝え下さい」
「わかりました」
「そして」
フレッセルはさらに言った。
「必ずです」
「イタリアの教育をですね」
「これまでより遥かにです」
「いいものにですか」
「します」
こう言うのだった。
「必ず」
「そうしてくれますか」
「教育は国の柱です」
まさにというのだ。
「それ次第で、です」
「国が変わる」
「はい」
そうなるというのだ。
「よいものであればです」
「国はよくなり」
「そして逆の場合は」
悪い教育の場合はというと。
「悪くなります」
「そうしたものですね」
「教育の誤りは骨髄に至ります」
フレッセルはこうも言った。
「ですから」
「それで、ですか」
「イタリアひいてはエウロパも」
「よい教育ですね」
「それを行うべきで」
それでというのだ。
「必ずです」
「そこはですね」
「全力を尽くし結果をです」
それをというのだ。
「出します」
「では」
「お任せ下さい」
こう答えた。
「必ずです」
「その言葉首相にお伝えします」
「それでは」
こう答えてだった、フレッセルはイタリア教育相への就任要請を受諾した、このことは忽ちのうちにイタリア中に伝わったが。
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