Let It Be
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ぉ練習でぇ大体は大丈夫にぃなりました。ピアノは私がぁ……」
アイリーンへの対抗心からか、ピアノ伴奏は譲らない先輩。プライドが高いわぁ。
先程まで挨拶をしていたカサンドラさんも一旦雛壇状のステージに戻り新曲を披露するために集まった私達のピアノ側を注視する。
ピアノを弾く先輩以外、私とアイリーンと社長は雛壇に集合したシスター等の方を向く。
「ワン・ツー……」
と社長のリズムで先輩が弾き始め、私等も歌い出す。
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シスターの服(スカプラリオ)を着たほぼ老婆達から感嘆の溜息が聞こえこの新曲の素晴らしさを実感してる事が解ってくる。
だがそれを凌駕するのがカサンドラさんの感動的な絶叫だった。
この娘(年上に娘と言うのは失礼かもしれないけども)は本当に音楽が好きなのだろう……それが心底伝わってくるくらい感動して、それを自らの言葉で語ってくる。
うん。解るわ……凄く共感出来るわ……でもね、貴女声がデカすぎるのよ。
この教会は流石というか、音響が整っていて彼女みたいに声がデカいと、それも大きく影響して凄い事になる。
こう……耳が……キーンと……
悪気が無いのは解ってるけど、もう少し意識して欲しいわ。
「カサンドラちゃん……この前も言ったけど……君はもう少し小声で喋る癖を付けてくれ。この曲に感動してくれたのは伝わったし嬉しいけど、それだけの大声で感動を伝えられると、その後の他の人との会話に支障が出る。君は歌も上手いし、音楽の知識も多い……だけど声のバランス調整が出来てない。結構な欠点だよ。それをこのサンタローズの聖歌隊で学ぼうね……あと普段喋る音量も一緒に……ね☆」
もうどうやら既に社長から注意は入っていた様だ。
何時もお優しい社長が、何時も以上に優しく諭す。
「あぁ……す、済みません。そうでした。ついうっかり感動してしまいまして……カサンドラの悪い癖でございます……申し訳ありません」
んんん……!?
如何やら彼女にはもう一つ悪い癖がある様に見受けられる……
今だけだったのか、自分の事(一人称)が“私”とか“僕”ではなく、自らの名前……かもしれない。悪い事ではないのだけど……正直私は嫌いなのだ!
まぁ性格を含めた他の事に関しては嫌悪感は微塵も感じないから一人称くらいは私達が我慢するべき事だろう。
何より社長に言われて直ぐに音量調節が出来たのだから、意識はしているのだろう。
兎も角……今日はこの方々に音楽のレッスンを付けるのが私の役目。
初めて他人様に音楽を教える立場になるのだ……
気を抜くわけにはいかないわね。
パーカッション関連であれば自信があるのだけれども、ピアノや歌唱となると、他の二人に頼る事が多いだろう。
まぁコレも勉強ね
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