見た目だけではない
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見覚えがあるのも重要だが、幼き頃の鞭打ちの傷が少しだけ首筋から見えている。
何より手を引く少女等の笑顔……リュカ様以外の男性には向けないのではないだろうか? う〜ん、羨ましい。
思わずリュカ様に視線を向けると、丁度こちらを見ていた様で目が合う。
「この男性……リュカ様ですよね?」
「やっぱり判る? 傷がちょっと見えてたしね」
「いえ、傷もそうですけど……私はリュカ様の背中を見て育ってきたので(笑)」
「嬉しいことを言ってくれるね。ティミーもそうだと良いんだけどなぁ」
きっとリュカ様の背中を見て育ってますよ。
「その撮影場所……テルパドールなんだけどさ。勝手に行って勝手に撮影して勝手に帰るわけにもいかないじゃん。だから一応アイシスに連絡はしといたんだよね。僕はアイツ苦手だから会わない様にしたんだけどさ……」
リュカ様が唯一苦手にする女性だ。多分、心を読まれるからだろう。
「わざわざ会わない様にしてたのに、わざわざ地下庭園から出てきて僕の前に現れやがったんだよ! 性格悪いなあの女。本当はもっと撮影したかったのに、サッサと撤収してきたよ」
それはそれは……としか言いようが無い。
そう言えばアイシス女王も数年前にご結婚なさったのだが、王族の結婚式なのにリュカ様は『風邪を引く予定の為欠席』と返信。
無論グランバニアから誰も行かないわけにはいかないので、王子のティミー様と当時はまだ主席秘書官だったウルフ閣下がご出席なさった。
ティミー様が仰るには、ウルフ閣下は一言二言程祝辞を言っただけで、ほぼ無言だったらしいのだが……思考だけでアイシス女王を泣かしたらしい!
無言のウルフ閣下に対して、アイシス女王が終始何かを言っていたそうなんですが、最終的には泣き出したそうだ。
喋らずに泣かすって……如何なってるんだあの男は?
ピピンSIDE END
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