暁 〜小説投稿サイト〜
『外伝:紫』崩壊した世界で紫式部が来てくれたけどなにか違う
再会したあたしは、快く迎え入れる
[7/10]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
出さなければならない。
そう思い立ち上がった、その時だった。


「…こ…じゃね?」
「開か……ど?」

「…?」

扉越しに、外から声が聞こえてきた。

「葵様。」
「分かってる。」

身構えるあたし。
香子も何かを察して真剣な顔つきになる。

「…客か?」
「違う。」

賢士の問いにあたしは即答。
扉の向こうにいるであろう者は、客≠ナはない。
じゃあどうして、扉の向こうにいる者達を何も見ずしてこう用心し始めたのか、

理由は簡単だ。


「この図書館、結界で守られてるんだ。」
「結界?」
「バリアとかじゃない。邪な感情、悪意を持つ者が来た時だけ作用する、特別な結界。」
「…じゃあ、つまり。」

扉に鍵はかけていない。
しかしガチャガチャと開けようとしている。
つまりは、結界が発動している。

「そういうヤツが向こうにいるのか…!!」

次の瞬間

「!!!」

装甲車が扉を突き破ってきた。

言うまでもないがここは図書館だ。
本来入らないこの場所に車両が強引に入り込む。
そのせいで周囲のものを破壊しながらスピードを緩めることなく前進
それからドリフトして本棚を薙ぎ倒してから停車。

そこから何人かの男が出てきた。

「…何?」

睨みつけてそれだけ問う。
図書館に邪な感情を持って訪れ、それだけでなく強引に車で突っ込んできた。

ただ事じゃないし、たとえどんな理由であれあたしはこれに対して憤怒するだろう。

「…キモ。」
「は?」

最初にでてきた黒マスクの男が、あたし達を見るなりそう言った。

キモって…気持ち悪いって言いたいってこと?

「っつーわけで、お邪魔しマース。」

黒マスクの次に出てきたのは、筋骨隆々の男。
黒マスクの白い肌とは対照的に日焼けした肌にドレッドヘアーといったいかにもな男だ。

「どなたですか…!」
「うっほ、胸デカ。」


香子を見るなり下品な顔をしてそう呟く。

「サウザンさん、サーヴァントだとしても初対面にそれはキモ過ぎ。ノンデリっしょそれは。」
「おースマンスマン。でもよぉリキヤ、あのデっけぇチチにパイズリされてみたくねぇか?きっと極上だぜ?」

と話しつつ、こちらに冷たい視線を向けるリキヤと呼ばれた男と、

「おーわりぃな。入口壊しちまって。でもさっさと開けねぇお前らが悪いんだぜ?」

香子にずっといやらしい視線を向けているサウザンと呼ばれたガタイのいい男。

こいつらは…なんだ?

「葵。」
「?」
「見ろ」

と、賢士が装甲車を指さす。
色とりどりのカラースプレーで落書きされたその装甲車。
側面には『葛城財団実働部隊』の文字が。

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ