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『外伝:紫』崩壊した世界で紫式部が来てくれたけどなにか違う
再会したあたしは、快く迎え入れる
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た。


「微笑ましいですね。」
「えっ?」

ある日の休憩時間、
そんな日々の光景を見て、香子はお茶菓子を片手にそう語る。

「年の離れた妹が出来たみたい。葵様は以前そう仰っていましたが、本当にその通りで。」
「まぁ…嬉しいし。あたし一人っ子だったからさ。妹とかそういうのがいるの、羨ましかったって言うか。」

正直に言おう。
嬉しい。

「姉として振舞おうとしていて、とても良いと思います。いとをかし、です。」
「香子にとっては、娘みたいな感じじゃない?」
「む、むすっ…!?」

と、驚く香子、
実際彼女もまぁ2人に懐かれているし、よく気にかけている。
傍から見ればお母さんみたいに。

「まぁでも、随分と賑やかになったよね。」
「えぇ。」

妹が出来たら、きっとこんなに愛らしい存在なんだろうと思えた。

「そういえば舞様も、妹が出来たそうで。」
「妹が…出来た?」
「えぇ、葵様のお気持ちはとてもよく分かると。」


まぁ、舞に妹ができたらしいけど話はここでは割愛させてもらう。






そんなある日だ。

「淀み?」
「あぁ、実は俺がここに来た目的もそれでな。」


二、三日たったある日のこと、賢士が2人の様子はどうだろうかと見に来た際、そんなことを話し出した。

「ニトちゃんが感じ取ってな。この辺りの霊脈は何かがおかしい≠チて」
「おかしい…?」
「ええ、ここからは私が説明いたしましょう。」

そう言い、隣にいたニトクリスが話を始める。

「ここ神奈川エリアは霊脈が多く流れており、その分他よりも魔力が濃いのです。」
「そうなんだ。」

確かに、あの三笠孤児院辺りの霊脈もなんか凄いらしいって噂を聞いた。

「しかし、その流れが随分と不自然と言いますか、妙なものが紛れていると言いますか…。」
「妙なもの…?」

神妙な面持ちのニトクリスの顔が、より真剣なものになる。

「死者の魂です。それも、子供の。」

子供の魂。
それを聞いて、あたしは数日前横須賀での蘆屋道満を思い出す。

「霊脈の中に入り込んで死者の魂がどこかへ向かおうとしているのです。日本全国、各地から。まるで何かに引き寄せられているように…。」

彼女によれば魂に意思疎通を測ろうとしたらしい。
しかしこちらの話は一切聞かず、どこかへ向かわなくてはいけないという使命感を背負って行動しているとの事。


「あの…ちょっと前なんだけどさ。」

そこであたしは、この前の道満と真誉について話すことにした。

「その蘆屋道満なる者が、子供の魂を集めていた…?」
「うん。目的はわかんないんだけど、三笠の孤児院からさらったりして子供の魂で何かしようとし
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