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『外伝:紫』崩壊した世界で紫式部が来てくれたけどなにか違う
再会したあたしは、快く迎え入れる
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思うくらいによくできた子。

「以前、屋敷でメイドをしていたことがありまして...。」
「メイド!?すごいね...。」

感情の起伏はイリヤちゃんと比べるとかなり少なく、大人しげな少女。
さすがにそんな女の子に毎日図書館を掃除して家事もこなせというのはあまりにも酷だ。
式神ゴーレムだっているのだしそういったことは任せても大丈夫だと説明はするも、

「この図書館に置いておいてもらえてる身なので...やっぱり頑張らないと。」

と言って頑なに聞かなかった。

【折角拾ってもらった身だ。自分が頑張らなければ、いつ捨てられてしまうかも分からない。イリヤの居場所は自分がなんとかして守らないといけない。と、彼女の身を案じながら美遊は決意をより固くするのであった。】
「......。」

そういうことだったらしい。

「...。」
「な、なんですか?わたしの顔に何か付いてます?」
「頑張るのはいいことだよ。でもね、必要以上頑張ったりしなくても捨てたりしないよ。」
「!!」

心を見透かされたように感じたのだろう。
驚く美遊ちゃん。
そうしてあたしはしゃがんで彼女と視線を合わせて話し出す。

「いつもイリヤちゃんのことばっか考えてるね。」
「え...な...なんで...」
「大事?」

どうして心が読めるのか?とかそういった質問には答えず、ただイリヤちゃんが大事かどうか尋ねる。

香子の付近、もといこの図書館内にいる時点でもう泰山解説祭の射程範囲内だ。

こうやって一緒に過ごしているうちに、彼女の心情もいやでも読み取れてしまう。
で、思うところがあった。

美遊ちゃんは、いつもイリヤちゃんのことを思っている。
イリヤの為、イリヤの為、イリヤの為と、泰山解説祭が読み取ると大体そこにイリヤの名前が出てくる。

こうして頑張るのも彼女の居場所を守るため。
自分なんて二の次。イリヤを前のような血みどろの世界に戻すわけにはいかない。

そう思い、美遊ちゃんは日々あくせく働いている。

「大事...です。自分の命なんかよりも。」
「まぁ...そうだろうね。じゃなきゃ一緒に行こうなんて行動起こさないもんね。」

ここを出て行こう
イリヤちゃんの悩みを聞きそう言い出したのは彼女だ。
すぐさま行動し、安全とは限らない世界にたった2人で出ていく。

何があっても守る。
例え自分の命が犠牲になろうと、死んでも守る。

と、美遊ちゃんは明らかに友情とかそういうものの一線を超えた大き過ぎる感情をイリヤちゃんに対して抱いている。

「好き?」
「へっ?」
「イリヤちゃん、好き?って。」
「......はい」

蚊の羽音よりも微かな声で、そう吐き出した。

「頑張り過ぎな
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