哀しみの味
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んだその中心地に剣神は立っていた。
その両手には悲嘆の怠惰と謎の剣が握られている。
ただでさえかなりの業物である剣なのに、それを二刀。しかも、握っているのは剣神なのだ。
なら、この結果は当たり前である。
彼はただ謎の体術を使って、姿を消して中心地まで歩き、そして二刀を振るった。ただそれだけの結果なのだ。
それだけでこの結果。
ちょっとチート過ぎじゃありません!?
これでは彼を止めることが出来る人物は戦闘系の特務クラスか、総長、もしくは副長しかいない。
とは言っても、副長クラスの大半はそんなものの集まりだろうと思うとそこまで変ではないのだろうか。
基本としての剣撃。
ただ、それだけでしかない攻撃に耐えるにはただの防御や術式、武器では耐えられない。
最低限で準神格武装や神格術式、神格武装、武神、大罪武装くらいでないといけないし、それだけではなく技量でも彼の能力に迫るか同等でないといけない。
彼の攻撃に対して守りに入ったら即斬られる。あれは攻撃で立ち向かわなければ即座に斬られる斬撃だ。
またこちらの攻撃に対しても、加護のせいでほとんど効かない。
攻守とも最高クラスの剣神。
ゴクリと自分の喉が思わず鳴った。
それが合図だった。
熱田・シュウは疾走した。
疾走先はトーリ達がいる艦の所。
右手に自身の罪ともいえる刃を持ち、左には悲嘆の怠惰。今だけの二刀流。後でホライゾンに渡すから仕方がないとはいえ、ちょっと惜しい剣である。
そして相手にとっても欲しい剣である大罪武装。
故にトーリ達の道の間に割り込んでくる学生がいるのは当然である。
数だけで言えば、四、五十くらいの学生。
前衛が盾を持ち、後衛は既に銃と槍を構えている。着く途中まで銃で牽制し、ぶつかってきたら盾で持ちこたえ、そして槍で止めをするという事だろう。
さっきの一撃を見ていただろうに、見事だぜと思い、だから褒美に
「ほれ」
悲嘆の怠惰を相手に投げた。
「……!」
予想外の行動に一瞬狼狽える相手。
その隙だらけの姿に思わず笑えてくる。
「おら……どうした? てめぇらの欲しいもんだろ? 遠慮せずに受け取れやぁ!」
投げ飛ばした悲嘆の怠惰の柄頭を右手に持っている剣で思いっきり突く。
悲嘆の怠惰は一瞬で水蒸気爆発を起こしながら、一直線に人という名の壁を壊した。
そのまま自分は速度を上げ、空中に散っている学生達が落ちる前に、下を突破する。
勿論、その程度では止まらずに、左右から敵という名の壁が迫ってくる。
咄嗟に柄にあるスイッチを押す。
峰の方から流体光が漏れ、バーニアと化す。そのまま、その勢いに抗いもせず、逆に右足で思いっきり、地面を蹴る事によって加速を足す。
タイミングを狂わせられた、相手
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