哀しみの味
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けの餓鬼なんだと思う。
世界に喧嘩を売るなんて凄いって思う奴もいるかもしれないけど、これは本当にただの馬鹿の所業だ。
本当に我ながら馬鹿だなぁと内心で苦笑する。
でも、後悔なんて一切なかった。
自分が正しい行動をしていると思ったから? んなわけねえ。主観はともかく客観的に見れば、俺は明らかに世界の敵になるような行為をしてんじゃね?
そこで自分が正しいと思っているからなんて、ただの言い訳だろと思う。いや、そういう理由で動くことを否定する気はないし、どう言い訳しても、俺がホライゾンを失いたくないと思う気持ちが間違いだとは思わない。
でも、俺はこういう時にどう言えばいいか知っている。
俺の近くにそんな思想を体現している馬鹿がいるから。
つまり───俺は俺のやりたいようにやっているだけなんだ
言葉に出せば物凄い大層な事を言っているみたいに思えるけど、そんなに大したことではないと思う。
そりゃあ、家族とか仕事とか学校とかで、自分は自由じゃねぇと思う奴もいるんだと思うけどよ……やっぱ、基本は俺らは自分のしたい事をしているはずなんだ。
だから、俺は世界に対して罪悪感なんて湧かさせない。
俺はただホライゾンに対して、勝手な思いを抱くだけなんだ。
俺はお前と一緒にいたい。
お前の笑顔が見たい。
お前の泣いている声が聴きたい。
お前の怒った表情に謝りたい。
お前が楽しんでいる姿を笑いたい。
だから、お前が俺の応答を聞きたくないって平行線から言われた時、俺は直ぐに返した。
「俺は───お前の声が聞きたい」
返答は一言だった。
「───Jud.」
だから、俺はこう言った。
「じゃあ、頼むよ。お前の言葉を聞かせてくれ」
そこから先はホライゾンの生の訴えであった。
解っている。
自分はここで死んだ方がいいのだという事は自動人形の最善の判断で理解している。
でも、自分は生きたいのだ。
生きていたいのだと、そういう訴えであった。
なら、俺達の納得の場はどこにあるとトーリは聞いた。
平行線上に位置する俺達は一体どこで重なり合うことが出来るんだと。
その場所は
「───境界線上の上で、私達の異なる考えは一致します」
その言葉をトーリは笑って聞いた。
「俺は何も出来ねえ不可能男だぜ?」
「いいえ。貴方はきっと何かを可能にすることが出来ると思います」
そっかと頷き
「……後でホライゾンといちゃいちゃも出来ないよね?」
「Jud.その通りで御座います」
「そ、そこだけ平行線上じゃねーのかよ!? がっかりだぜ俺!?」
『こっちががっかりだよお前!』
武蔵全員どころか敵からのツッコミを表示枠で受けたが、トーリは気にしない。
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