哀しみの味
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だから
「お前が俺の代わりに泣いて、叫んで───そして一緒に未来を目指そうぜ。だから、今はこの辛い感情を楽しもう」
そうして俺はホライゾンに顔を近づける。
そうするとホライゾンも察してくれたのか、目を閉じてくれた。その事に、流石に内心で苦笑しながらも、彼女の涙に濡れた瞼を舌で拭う。
そして、最後に彼女の唇に重ねた。
抵抗はなかった。
ただ
「悲しみの味がするよ、ホライゾン」
涙の味が舌に広がりながら、俺はそれを言った。
「なら……この私に……他の味も教えてくれますか……?」
自分の言った言葉に合わせて、彼女は他の感情も教えてくれるのかと願ってくれた。
それに俺は微笑して答えた。
その質問の答えはずっと前から決まっていた。
「ああ。教えてやるよ、絶対に取り戻してみせる。俺のせいで失くしたお前の感情を。そしてお前に繋がる全ての大罪を俺とお前の境界線上に取り戻して」
そして
「何時か、俺と一緒にまた笑ってくれよ」
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