哀しみの味
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言って武器を振り回しているが、全然本気になれないのである。
全員が思う事はただ一つ。
頼む……この空気を誰か何とかしてくれ……!
こういう時に暴れそうな熱田や教皇ですら汗を流していた。
正直、こういうシチュエーションは流石に初だったので、何をすればいいのか誰も解らないのである。
「大体、自動人形が好きなどとは……病院に行ってきてください」
「て、展開速いぞホライゾン! ここはもうちょい、何で私なんかを好きになってくれたの!? とか、うるうる涙目で聞くシチュじゃねーの!? もっと! もっとロマン見ようぜ!」
「冷静に言わせてもらいますが、ロマンを見るのならば、既に私が処刑されそうになっている所に告白いうのは、確かに本で見た通りならばロマンはあるのでしょうけど、ぶっちゃけロマンだけで現実は生きられないのです───解りましたか? この理論」
「くぅ……! 斜め左下四十五度からのツッコミが激しい……! おいシュウ!? ここで俺は何て言い返せばいい!?」
「ここで俺を巻き込むんじゃねーーーー!!」
「マジ? じゃあ、セージュン!」
『私も巻き込むなーーーー!』
「マジ? マジマジマッジ!? じゃあ、次はどうしよっかなーー? んーー? あそこで振って頂戴って尻尾を振るっているネイトかなー? それとも気配をゼロにまで隠している点蔵かなーー?」
「貴様……!」
全員で睨んで叫ぶが、トーリはくるくるバレエみたいに踊る事で殺意を逸らした。
全員で俺達が先に殺してやろうかと視線で相談するが、先に展開が動く。
「ホライゾンと貴方の意見は平行線だと判断できます」
その一言に何かの感情が込められているように、その場にいる全員はそう感じた。
そして誰もがそれを錯覚だと判断する。
相手は自動人形。多少、普通のとは違うが、大罪武装を集めていない今の状態では、まだ普通の自動人形と同じはずだと思うからである。
しかし、トーリはその言葉を聞いて、何時もの笑みを取り戻して聞いた。
故に武蔵勢は沈黙して、彼に託した。
ホライゾンが口を開く。
「平行線ですね。だからホライゾンは言います───お帰り下さい」
その言葉をトーリは待っていた。
その言葉を聞いた直後にセージュンから諦めるなという言葉を聞かされた。
何を当たり前の事言ってんだよと内心で言いながら、ホライゾンと話した。
俺はお前に生きていて欲しいとただ言い
ホライゾンは自分は死ぬべきですと正論を吐いた。
でも、そんな会話を聞きながら、俺は思った。
正しいのはホライゾンだ。
感情論を無視して言えば、世界を思って行動しているのはホライゾンだ。
俺はただ、自分の都合で世界なんて知ったこっちゃねえって吠えてるだ
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