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金木犀の許嫁
第十九話 ハンデその七

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「大体アフリカ系のガンマンやカウボーイや騎兵隊もいたし」 
「西部劇の主役ですね」
「西部劇の主役ってね」
 アメリカ側から見ればヒーローであった、西部劇善政の頃は彼等が活躍する映画が星の数程制作され上演されていた。
「インディアンから見たら侵略者よ」
「そうですね」
「アメリカのね」
「それであの人達は」
「アメリカ社会から排除されるまでに」
 そこまでのレベルでというのだ。
「差別されてるのよ」
「それでアイルランド人もですか」
「あのね、領主様がね」
 アイルランドのというのだ。
「イングランドから来た」
「貴族の人達ですか」
「それで支配してきて」
 そうしてというのだ。
「小麦を容赦なく取り立てたのよ」
「パンを作る」
「そうよ」  
 その小麦をというのだ。
「ジャガイモ飢饉の時も」
「採れなくなったのはジャガイモだけでしたね」
「それで小麦は採れていたのに」
「その小麦をですか」
「取り立ててね」
「餓え死にした人が沢山出て」
「移民もね」 
 アメリカ等へのというのだ。
「沢山出たのよ。人口の半分がね」
「移民したのですね」
「それでまだ人口回復していないから」
 大勢の移民が出た結果だ、このことはアイルランドの人口統計を見ればそれだけでわかることである。
「どれだけ酷かったかわかるでしょ」
「そうですね」
「日本の差別はね」
「ましですか」
「こんなことないから」
 ジャガイモ飢饉の様なというのだ。
「私が知る限りね、むしろそうした時は」
「ジャガイモ飢饉の様になれば」
「台湾とか朝鮮半島の人口増えてるでしょ」
「半島は二倍になりました」
 三十六年の統治でだ、千三百万の人口が二千五百万と約二倍に増加しているのだ。これには食糧生産の向上が大きかったのだ。
「そうでした」
「それで飢饉になったらね」
「ちゃんとしないとですね」
「人口増えるなんてことないでしょ」
「そうですね」
「アイルランド人口半減してよ」 
 多くの人が餓死し移住してというのだ。
「今も回復していないのよ」
「それならですね」
「全くよ」 
 それことという言葉だった。
「イギリスの差別とは違うわよ」
「そもそも日本はお米を食べていました」
 台湾の人達も朝鮮半島の人達もだ。
「当時はまだ雑穀が多かったですが」
「お米を食べる様にしていたわね」
「本土でもそうで」 
 日本のというのだ。
「それで、です」
「台湾でも朝鮮半島でもね」
「アイヌの人達に対しても」
 北海道のというのだ。
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