第十六話 発見その十六
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「お土産を買いたいけれど」
「店のものか」
「何かお勧めはあるかな」
「うちは品揃えがいい」
ドクターマンは答えた。
「だからだ」
「何でもかな」
「好きなものを買って行ってくれ」
こう言うのだった。
「それぞれな」
「それじゃあそうするね」
「店も繁盛しているといいな」
「生活が豊かになるからね」
「そうだ、それでだ」
「何でもだね」
「店の中のものはな」
「好きなものをだね」
「買って行ってくれ」
「そうさせてもらうよ」
「そしてだ」
ドクターマンはさらに言った。
「君達のどの戦隊が来てもな」
「お店のものをだね」
「買ってくれるとな」
そうすると、というのだ。
「有り難い」
「ではそう伝えておくよ」
ショウは確かな声で約束した。
「貴方の為にね」
「宜しく頼む」
「それではね」
「じゃあ何を買うかだな」
ラッキーは店の中を見回して言った。
「見たら色々あるな」
「品揃えには自信がある」
「そうなんだな」
「それでだ」
ドクターマンはラッキーにさらに言った。
「私が勧めるとすればだ」
「店の商品全部だな」
「そうだ、買ってくれるとだ」
店の商品をというのだ。
「私もここで暮らせるしだ」
「まだあるんだな」
「店員達に給料も支払える」
「店員さん達の生活もか」
「保証される」
「だからいいんだな」
「今は人間でもだ」
かつて忌み嫌っていた者達でもというのだ。
「今は違う」
「そうなんだな」
「僅かであるが親しみを感じている」
「自分の店で働いてくれているか」
「真面目にかつ誠実にな」
そうであってというのだ。
「尚更だ」
「親しみを感じているんだな」
「私も変わったとだ」
その様にもというのだ。
「思っている」
「あんたも変わるか」
「変わらないと思っていた」
自分ではというのだ。
「しかしだ」
「変わったんだな」
「自分でも驚いている」
こうラッキーに話した。
「私がそうした感情を抱くとはな」
「人間に対してか」
「そうだ、身体が機械でもだ」
例えそうであってもとだ、ドクターマンはラッキーに話した。その声は実に澄んで淀みのないものだった。
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