第一章
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詐欺師が狙う相手
国際的な詐欺師であるグレッグ=ホビーは今テキサスの自宅で獲物を探していた、それであれこれとインターネットで情報を検索していたが。
妻であり仕事のパートナーでもあるマイラにだ、ふと囁いた。二人ともアフリカ系で縮れた黒髪である。背は高くすらりとしている。グレッグの歯はきらりと光っている。
「カモを見付けたぞ」
「そうなの」
「ああ、日本だがいいか」
「日本語は難しいけれど」
「大丈夫だ、知り合いに日本人がいるんだ」
夫は妻に笑って話した。
「そいつに日本語を訳してもらってな」
「それでなのね」
「日本のカモ達からな」
「お金巻き上げるのね」
「日本人は頭がいいっていうけどな」
国際的にそうした評価を受けている国民だがというのだ。
「やっぱり馬鹿はいるな」
「そうなのね、あの国にも馬鹿はいるのね」
「それもとびきりの馬鹿共がな」
彼等がというのだ。
「いるんだ、そいつ等からな」
「お金を巻き上げるのね」
「ああ、今度は自己啓発セミナーみたいな感じな」
こう称してというのだ。
「どうすれば助かるとか自分の思い通りになるとかな」
「いいこと言って」
「そうしてだよ」
「お金巻き上げるのね」
「ああ、そうした連中をまずエックスとかでフォローしてな」
「フォロー返ししてもらうのね」
「いいか、そこでな」
グレッグはマイラににたあ、と笑って話した。
「適当に政治のこと書くんだよ」
「政治?」
「日本人のふりしてな」
そうしてというのだ。
「政治のことを書くんだ、それも極端な」
「極端な主張書くのね」
「ああ、過激なそれこそ革命だの何とか反対だの書くアカウント作って」
「それでやるの」
「もう一つある、こっちじゃな」
そちらのアカウントではというのだ。
「特定の国罵って差別的なこと書いて日本の歴史とかを褒めまくるんだよ」
「そうするのね」
「さっき言った方は何でも反対で逆に日本の歴史をな」
「けなすのね」
「それぞれのアカウントで正反対の書き込みしてな」
「やっていくのね」
「それぞれの主張にいいねしたり書き込んでな」
そうしたことも行ってというのだ。
「それぞれの主張に合った連中をフォローするんだよ」
「あっ、そこでね」
マイラはここまで聞いてはっとなった顔で頷いて言った。
「相手がフォローを返して」
「相互フォローしたらな」
「ダイレクトメールでで連絡して」
「セミナーみたいにな」
「政治的なことを言って」
「そうして何処となく金をな」
肝心のそれをというのだ。
「少額ずつでもな」
「要求するのね」
「仮想通貨でもいいさ、日本の口座を適当な政治段代のものだということにしてな」
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